こんばんは。「実況中継ライヴ・オン」文字正人です。

　97年当時開設されていたJIMSAKUオフィシャルホームページによると、神保・櫻井
のアンサンブルは、以下のように名前を分けて平行して続ける意向のようでした。
　　JIMSAKU 　　：４人（程度）のインストバンド
　　JIMSAKU 100%：ドラム・ベースデュオ
　　神櫻　　　　：ボーカリストを加えたバンド
では、角松敏生プロデュースによる意欲作”DISPENSATION”発表が縁で実現した、
”神櫻”としての東名阪コンサートツアーから、東京厚生年金会館でのステージの
模様をお伝えして参りましょう。新宿からライヴ・オン！
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　朝方は、ここ数日の陽気に比べるとちょっと寒かったですが、夕方はそれほどで
　もなかった東京地方。新宿１丁目辺りまでくると、JIMSAKUで（正味は角松で^^;;）
　ダフ屋が出ている（爆）。そんなちょっと違う雰囲気は、会場へ入って１階席の
　お客さんを見ると更に倍（笑）。…それはさておき、１階席は９割方埋まってま
　したが、２階席は半分くらいだったでしょうか^^;;。
　18:36、BGMがシーケンサーによるストリングスに変わり、１分ほどで客電が落ち
　ます。拍手がやんで暗く静かなまま、まずは５人の男達が静かにスタンバイ…。

　＜神櫻＞　1997.03.13　＠東京・新宿厚生年金会館
　神保彰(Dr)　櫻井哲夫(B)　大橋勇(Gt)　塩谷"SALT"哲(Pf,Syn)　春名正治(Sax,Per)
　伊藤恵子(Vo)　角松敏生(Gt,Cho)　山田洋(Syn,Manipulator)
　高橋"JACKIE"香代子(Cho)　宮浦和美(Cho)

　＜ステージ体制＞
　　　　SALT (グランドPf)　　　　伊藤　宮浦　JACKIE　　(Mac) 山田 (Mixer)
　　　　(KORG Trinity＋1台)　　　　　　　　　　　　　　　　 (Synth)

　　　　大橋　　　　春名　　　　櫻井　　　　　　神保　　　　　　　角松

☆１．ＭＵＣＨＡ−ＣＨＡ−ＣＨＡ　ＢＯＮＩＴＡ
　（”FORTYFIVE DEGREES”POCH-1093 / POLYDOR,K.K.・1991・生産中止）

　インストの部は、陽気なJIMSAKUラテンの世界で幕をあけます。春名氏はこの曲
　ではコンガを叩いており、ブラスパートはありませんが、怒騰の演奏であります。
　CDではバイオリンがとっていたブリッジは、櫻井ベースが歌います。今日はグラ
　サンなし(^^;の大橋氏、１曲目からソロで前に出て行って圧倒しますが、客席は
　まだおとなしめ^^;;。神保氏、相変わらず力強いですが、この辺の時代の曲は、
　96〜97年頃に見られた爆発するほど^^;;は、叩いてません。後半のピアノソロは
　情熱的でした(^^)。

☆２．ＢＬＡＺＥ　ＯＦ　ＰＡＳＳＩＯＮ
　（”BLAZE OF PASSION”POCH-1507 / POLYDOR,K.K.・1995）

　SALT氏、今度はシンセでのバッキングとフルート系（ちょっとわかりにくかった
　が）での合いの手をはさむ形です。CDでもギターソロバトルをフィーチャーした
　曲ですが、大橋ソロ、ホント堂々とやっております(^^)。JIMSAKUのライヴは初
　参加となるSALT氏は、ギターソロのバックでも、なんか盛り上がってます。大橋
　氏のソロの盛り上がりにのけぞるのが櫻井氏なら、負けじと絡んでくる(^^;のが
　神保氏、というのが、昨今良くみられる構図(^^;です。

　「年度末のお忙しい中を…」という、多くの会社員がドキッとする(^^;台詞で、
　ご挨拶が始まります。インストの部の５人を簡単にメンバー紹介したところで…
櫻井＞ところで神保君、なんかCASIOPEAに出戻ったんですか？（笑）
神保＞みなさんこんばんは、ドラムの神保彰です。（拍手）
　　　一部では間違った情報が出回ってますが（笑）、あくまでもJIMSAKUの神保
　　　です(^^)。CASIOPEAはお手伝いということで、今年はやります。
　次はサックスがメインをとるナンバーが続きます。

☆３．２６１　ＢＲＯＡＤＷＡＹ　（”BLAZE OF PASSION”・1995）

　オリジナルやJIM-TAKE-SAKUなどで聴くと、どう聴いても伊東たけしナンバーに
　なってしまう（笑）曲ですが、低めの音の春名アルトで、少し違う雰囲気になり
　ました。SALT氏はサビでシンセでサックスとハモってみたりした後、ピアノソロ
　ではガンガン攻めてきます。サックスは、ソロまではかなりきっちり原曲通りで、
　ソロは、途中でピアノのモントゥーノパターンとシンクロしてみせたりと、やや
　メカニカルなフレーズで展開して行きました。

☆４．Ｉ’Ｍ　ＧＯＮＮＡ　ＣＡＴＣＨ　ＹＯＵ
　（”Wind Loves us”POCH-1248 / POLYDOR,K.K.・1993）

　まず、イントロのアタックに合わせたビームライトで、目を奪われます(^^;。
　SALT氏は、シンセストリングスとエレピでサポート。この辺りから、櫻井ベース
　も低音がよく響いてきた感じがしました。中盤では、エモーショナルに展開する
　サックスソロ、サビ前にベースがドーーーン！(^^)ときて、終盤では今度はメカ
　ニカルなフレーズのサックスソロが熱〜く(^^)展開されていきました。

　コロコロしたRhodes系エレピソロが１分ちょっとあり、ちょっと落ちつきます…

☆５．ＡＬＩＳＡ　（”NAVEL”POCH-1386 / POLYDOR,K.K.・1994）

　青と白のライトが客席に向けてともる間接照明（っていうのか？（爆））の中、
　エレピ＋フレットレスベースで、ややゆったりと始まりました、”ベースが唄う”
　ナンバーであります。この日は櫻井ボーカルはなく^^;;、ベースだけで唄い上げ
　ていました。シンバルのライド・アコースティックギターも段々加わり、Ａメロ
　２回目はアルトサックスが野太く唄います。よく歌うベースソロ、終盤〜サビへ
　移るところで、サックスが覆いかぶさるように入ってきます。オクターブ上げた
　ベースのＡメロをサックスが締めた後、ベースの見せ場がもう一度やってきたの
　でした…。

　曲目を紹介したところで、櫻井氏がPerfecTV!の営業モード（笑）、いやいや、
　パーソナリティ＆ハウスバンド（JIMSAKU＋大橋勇＋加藤一弘＋松居慶子（96年の
　番組開始時））を務める、「THE MINT CLUB」（Ch.261”地球の声”にて放送）を
　紹介しますが、PerfecTV!自体の加入者数は当時で公称２０数万件、この日拍手が
　あったのは十数人^^;;。「地上波も出ております」と、97年３月〜９月放送予定
　のリポビタンＤのＣＭ曲（前園出演）を手がけたという話になります。レコーディ
　ングはドラム・ベースデュオだそうですが、今回はバンドメンバーでのお披露目。
　（拍手）櫻井氏が「”リポビタンＤ”と言えば？」と、かけ声を求めた辺りから、
　もしや…とは思いましたが（笑）。
櫻井＞そんなに期待していただいても、30秒しかやりませんので（笑）。
　　　演奏が終わったら「ファイトーーッ！」と言いますんで（笑）。皆さんの、
　　　今日のコンサートにかける気合いをチェックしたいと思います（笑）。
　てなことでリハーサル（爆）。最初は１階席より２階席の方が元気だったような
　気もしましたが^^;;。

☆６．Ｌｉｐｏ−Ｄ（仮）
　（後に「YOU CAN DO IT」として櫻井哲夫”21世紀の扉”（CRCI-20384 / NIPPON 
　　CROWN）にも収録）

　曲の雰囲気は…大橋氏がギンギンに飛ばしてきます。　ギターが入ると、モロに
　ロックっぽいです。フィルがたくさん入ってきて…
櫻井＞ファイトーーッ！
客席＞いっぱぁーつ！（苦笑）
櫻井＞鷲のマークの大正製薬です（笑・拍手）。…楽しいですね(^^;
　…ホントに30秒だった（爆）。それでは、宣伝コピーの部分が入らない（笑）。

☆７．＊＊（塩谷哲）

　続いて、SALT氏の新作に入る予定のアコピナンバーを披露。（曲名は、２階では
　ちょっと正確に聞き取れなかった(^^ゞ）「難しい曲」という声が結構ありました
　が、私のイメージでは、高層ビルの夜景が浮かんできそうな洋物フュージョンの
　雰囲気でしたが…(^^;　言われてみれば、メロディーは複雑だったかな？
　16分の裏キメバリバリの後、クールな大橋ギターソロ、後半になるにつれてヒー
　トアップするピアノソロ（個人的には結構きました(^^)）、ユニゾンのブリッジ
　もキマると、ソロで前に出てきた大橋氏も火がついておりました(^^;。

　軽快にクラーベを刻む神保氏にリードされて始まりましたのは…

☆８．ＣＥＮＴＲＯ　ＨＡＢＡＮＡ　（”FORTYFIVE DEGREES”・1991・生産中止）

　以前は結構好きなナンバーだった曲ですが、曲名が結構出てこなかった(^^;。
　オリジナルにあったブラスの音色はなかったですが、春名氏のコンガとよく響く
　神保クラーベで、いい気持ちです（ってホールコンサートで普通そういう感想は
　ないか(^^;）。中盤のピアノソロは、クールに始まり、だんだん全身でゴリゴリ
　と攻めていきます(^^)。ソロ終盤はアルバムと同じような締め方でしたが、あれ
　は自然とああなってしまうもんなんでしょうか…？ブリッジではドラムとベース
　の濃縮ソロが出て参りますが、ライティング切り替えがちょっと遅かった^^;;。
　…なんだかんだ書いてますが、壮快な曲なのは間違いないです(^^)。

　時刻は一時間ほどたった19:35。ステージは暗転して、どこからともなくシンセ
　ストリングスとシンセベルのメロディーが流れて、空いているポジションに立つ
　べきメンバーが入ってきます…大きな音のドラムのフィルで、静寂が破られます。

☆９．ＤＩＳＰＥＮＳＡＴＩＯＮ
　（”DISPENSATION”BVCR-776 / BMG JAPAN・1997）

　うん、暮れに六本木PIT INNで殆ど打ちこみ（コーラスはテープ？サンプリング？）
　で聴いた時より、生コーラスの方がずっといいですね(^^)。ボーカルも高いとこ
　ろがうまく出てたようで力強くなったと思います。この曲に関しては、前年暮の
　PIT INNよりは、打ち込みパートやボーカルのバランスが良くなってます(^^)。
　やっぱりホール向けだったのかな(^^;。角松氏のねちっこい^^;;ギターボコーダー
　ソロに続いて、CDではシンセソロのところ、SALT氏のエレピソロが組まれてまし
　た。この曲はいい！(^^)

☆１０．ＭＡＫＥ　ＭＹ　ＴＩＭＥ　（”DISPENSATION”）

　１・２階とも手拍子をとるお客さんがチラホラ出てきました。Ａメロでちょっと
　ボーカルが楽器に負けてる？という感じもあったかな(^^:？　大橋・角松両氏の
　ギター、全身でよく動いてます。ブリッジで短くソロをとるドラムにスポットが
　当たると、１階の後ろの方から歓声が上がってました(^^)。

　櫻井氏曰く「華やかになりました」ステージのメンバーを紹介したところで…

☆１１．記憶の街　（”DISPENSATION”）

　ギターはコード弾き大橋＋リフ角松というような分担。角松氏は途中コーラスも
　やりますが、ちょっと音が他のパートに混ざりすぎたかな？　途中の大橋ソロは
　サイズがCD通りでしたが、エンディングのSALTアコピソロでは、シーケンスが下
　げられ、コンピュータ席の山田氏が生でシンセパッドを弾いて最後を締める、と
　いう構成になっていたように、上からは見えました。ボトムをがっちりと支える
　神保・櫻井コンビの存在感は、そのラストのアコピソロで特にズシーンと感じま
　した。

神保＞いやー、いいですねぇ(^^)。今回、角松さんと一緒にやらせていただいて、
　　　いろいろ勉強になりましたし、いくつか発見がありました。スタジオで角松
　　　さんがギターを弾いている姿が、すごくカッコイイんですよ(^^)。髪の毛を
　　　ゴムで縛ってサムライみたいな格好で、目つきも鋭くなって…ボクは思わず
　　　しびれてしまいました(^^)。…別に変な趣味ではないんですが（笑）。
　　　次のコーナー（角松氏が「コーナー？^^;;」と聞き返す）は、角松さんのギ
　　　ターをフィーチャーした、この曲をお送りしましょう。

☆１２．ＩＳＬＡＮＤ　（”DISPENSATION”）

　ここで、神保氏作のほのぼのインストナンバーになります。ギターは角松メロ・
　ソロ＋大橋カッティング等という分担。CDで数原晋氏が取るフリューゲルホルン
　の代わり…といってはなんですけど、春名氏のソプラノサックスが、甘い音色で
　サポートします。「音のかたまり」みたいなのが２曲続いたところで、心地よく
　なる、でも、飛ばすエレピソロなど熱さも感じられる演奏でありました(^^)。
　ブリッジでのベース・ドラムソロは割とCDそのままだったかな？そういう曲なの
　かな。終盤の角松ギターソロは、楽器を抱え込むような姿勢で、大事そうに弾い
　ていた感じでした。そのまま、サックス・手弾きパッド＋薄目のリズムで静かに
　エンディングとなりました。

櫻井＞神保君は、なんか角松君に相当しびれちゃってるみたいですが（笑）。なぜ
　　　今回JIMSAKUが角松君にお願いすることになったのかと言うことですが…
　以下、以前お伝えしたピットインでも出てきた、角松氏のマネージャーの携帯に
櫻井さんが電話した話になります。
角松＞なんで番号知ってたの？
櫻井＞十何年前（”SEA IS A LADY”のころ）の電話にかけると「この番号は使われ
　　　ておりません」だったので、角松敏生と言えば、青木（智仁）君にかければ
　　　わかるだろうと。すると彼も引っ越してまして^^;;。もう日本のマーカス・
　　　ミラーという人ですから…
角松＞それは言い過ぎ^^;;（笑）
櫻井＞DIMENSIONの増崎君も知ってたんで、彼に青木君の電話を聴いて、で、角松君
　　　の電話を聞いたんですよ^^;;。
角松＞困りますよねー(^^ゞ（笑）。いや、僕も電話をもらって悩んだんですよ。10
　　　年前にダンス・ブラック・インストは足を洗ったんで^^;;。それで、「どう
　　　します？」って聞くと「どうにでもして(^^)」（笑）。このお二人が揃って
　　　言うと、なんか恐いですよね（笑）。
　　　インスト音楽は、14〜5年前と比べると最も売りにくいジャンルなんですが、
　　　ライヴハウスなどで自己満足的に盛り上がってるのが現状なんですよね。
　　　中には枚数出る人もいますが、安室奈美恵の100万分の１（それも言い過ぎや
　　　（笑）：筆者注）ですし、レコード会社も年々せちがらくなっていて、この
　　　シーンを（商業的に）守れなくなってきてる、そういう状況はイヤだなとは
　　　思ってたんですよ。こういうミュージシャンの、ある種の（最低限譲れない
　　　・の意かな？：筆者注）こだわりを除いて、広くアピールして行きたい気持
　　　ちが強かったんです。そこで、「全部お任せ」と言われても…ってことで、
　　　デモテープを送ってもらったんですが、これ40何曲入ってるんですよ（笑）。
　　　全部最後まで聴きました^^;;。そしたら、全部メロディーが歌なんですよ。
　　　「なんだ、この人達ってメロディーメーカーなんだ」と。
　　　SOURCEとかの込み入ったメロディーのものをやってくるかと思ったら、神保
　　　さんは「僕はああいう難しいものは書けないんです」（笑）。
　　　（中略：オーバープロデュースの声と広めないファンへの反論・いい歌には
　　　いい演奏といった話が続いて）
　　　僕とつきあいのあるミュージシャン、青木智仁・村上ポンタ秀一・沼澤尚な
　　　んかは、この二人のことをなんて言ってるかっつーと、みんな口を揃えて、
　　　「人間じゃない」と（笑）。沼澤尚なんか「ワールドワイドに見てもこんな
　　　人はいないよ。世界どこでも彼らを見たら腰を抜かす(^^;」。ミュージシャ
　　　ン達は、すごすぎて笑ってます（笑）。じゃ、それを前面に出して行こうと。
　　　じゃ、名前を漢字で行こうとか言ってると、櫻井さんが「じゃ御輿かつぎで
　　　もやりましょうか」と悪乗りして（笑）。冗談が通じない人なんですが(^^ゞ。
櫻井＞…あれ、冗談だったの？^^;;（笑）
角松＞ホールだとたぶんすごさがわかんない人達なんですが、それをわかってもら
　　　いたいし、それには口数の多い奴がいないとダメなんですよ。
　　　（中略：ドラムトリガーシステムを簡単かつ的確に解説）
　　　…叩いちゃソロやり、叩いちゃソロやり、人間じゃないです(^^;（笑）。
　　　ここの下にある”赤いの”（カウベルを指しながら）、つま先でハイハット
　　　を踏みながら、同時にかかとで”赤いの”を踏んでるんですよ(^^;。ホント、
　　　人間じゃない（笑・拍手）。
　　　櫻井さんのベースなんかも、弦６本もあるんですから^^;;。そんなにたくさ
　　　んやめなさいって^^;;（笑）。ベース弾きながらギターの音も出ちゃいます。
　　　そういうところも見せていかないといけないし。SALTもいいもの作ってるし、
　　　やっぱりこういう音楽もデッカイところで聴きたいし、やりたい！　でも、
　　　こういう音楽のファンは結構年いってて腰重いし^^;;（苦笑）。
　　　あきらめずにがんばろう！（拍手）
　　　…櫻井さん、今日はそう言えば、いつもの「ミュージックフェア」みたいな
　　　喋りじゃないですね（笑）。
櫻井＞去年は角松さんＴＶでいっぱい見ましたよね（拍手）。
角松＞リラックスしているときが一番^^;;（笑）。あれ（UNIMATの企業CF）は、
　　　会社の重役が呑み友達だったんで(^^ゞ（笑）。あのCMはホントにスタジオで
　　　曲を作っているところをドキュメントで撮ったものなんですよ。で、実際に
　　　レコーディングしたのが、伊藤恵子の練習曲として作ったんですが…練習曲
　　　にしては難しかったかな？（笑）　私の「It's hard to say Good-bye」の、
　　　97年版みたいなので、まだそんなのを歌ってたのか^^;;って人もいるかも知
　　　れませんが…　（客席の一部から「またやれよぉ！」）
櫻井＞凍結宣言を出されてますが、いつまで凍ったまま（笑）なんですか？
角松＞秘密です(^^;。お耳汚しになるかも知れませんが(^^ゞ、JIMSAKUをバックに
　　　歌わせてもらおうということで、僕にとっても記念になります(^^)。
　その、”練習曲”を、デュエットで披露することになりました。

☆１３．ＵＮＩＭＡＴ（仮（爆））

　当時CMで放送中の曲とは全く異なるバラードで、この時のMCでは発表予定もない
　ということでした。
　アコピの奏でるゆったりしたイントロに続いて、シャープなシンバル・ドーンと
　くるベースに支えられたシンプルなアンサンブルに乗って、伊藤さんの飾り気の
　ない”素”のボーカルを聴かせてもらいました。途中で大橋氏の”泣きモード”
　ギターソロが大らかに絡みます。”角松節”も健在でした。

角松＞そーゆーわけで、お待たせいたしました！　目を皿のよーにして（笑）、
　　　超絶技巧のＤＵＯをたっぷりお楽しみ下さい(^^)！（拍手）

☆１４．ＴＲＩＧＧＥＲ　Ｎｏ．１０　（神保彰）

　今年になって耳にするようになった、怪しげな^^;;旋律のシンセパッドに続いて
　トリガーでのベースラインがかっこいいナンバーになります。96年、神保氏自身
　が新聞の全15段（いわゆる全面）広告にも登場した、サイレントドラムDTXシス
　テムを、トリガー・音源の両方で使っているようで、時折フレーズサンプリング
　もプログラムされていたようです。　出てきた音色も、バッキングブラス・ベル
　エレピ・スティールパン・オケヒット（この時はドラムの乱れ打ち（安直な表現
　（爆））になってたかな^^;;）と続きます。
　５分ほど過ぎて、３−２クラーベを刻むあたりからトリガーをOFFにするパッドを
　叩いて、純生ドラムソロに移ります。序盤から「この人はどこでテンポとってる
　んやぁっ^^;;！」状態（爆）。テンポはだんだん上がるわ、スポットと足元仕込
　ライトは乱舞するわ、途中で４つ打ちに変わるとカウベルも叩きまくるわと、
　２分以上客席を圧倒し続けました(^^)。

　そして…

☆ＳＵＰＥＲ　ＪＩＮＧＬＥ　ＭＥＤＬＡＹ　（”DISPENSATION”）
★１５．ＢＡＴＴＬＥ　ＲＯＹＡＬ　（VI）
★１６．ＣＨＡＳＥ　ＴＨＥ　ＣＨＲＩＭＩＮＡＬ　（ I ）
★１７．ＰＲＩＺＥＷＩＮＮＩＮＧ　（II）
★１８．ＥＭＥＲＧＥＮＣＹ　ＲＥＰＯＲＴ　（III）
★１９．ＡＩＭＩＮＧ　ＡＴ　ＧＯＡＬ　（ V ）

　いきなり出てきたのは、これまで演奏されなかったタッピングの嵐・”IV”！
　ベースに詳しくない私なんぞは、ただただ圧倒されるだけ(^^;。この後は、これ
　までに披露された”Ｉ→II→III→Ｖ”の順だったかな？　ステージ左右に作られ
　た踊り場のようなところを使い、乱入こそありませんでしたが^^;;激しく動き回
　り、左右両サイドのお客さんにもサービス(^^)…しててよく合うよなぁ(^^;。

☆２０．ＣＡＴＡＳＴＲＯＰＨＥ　ＯＦ　ＲＨＹＴＨＭ　ＳＵＩＴＥ
　（”100%”POCH-1241 / POLYDOR,K.K.・1993・生産中止）

　そのままバスドラを４つ刻んで、櫻井ショー・タイムは20:40にスタート。演奏
　中に、いつのまにか他の８人もステージへ戻ってきて、櫻井パフォーマンスを見
　守っております。まずは、名詞代わり^^;;の裂烈チョッパー、メロディックにも
　テクニカルにもなる指弾きフレーズと続き、１階席からも手拍子が起こっており
　ます(^^)。興が乗ってきて超早弾きになっているうちに、ベースの弦をステージ
　の縁やマイクアームにこすりつけるわ、何かあったのか？（笑）というくらいに
　暴れ始めるわ、しまいには、ステージ上で弾きながら仰向けになり、大橋・角松
　両氏の合図で出てきたタンカに運ばれるという…（笑）。（この辺で「君が代」
　もやったかな？（爆））音はすれども姿は見えず（ナルチョやないってば（爆））、
　しばらくして戻ってくると、１階・２階の両方から歓声が起こってました(^^)。
　最後にお約束の”べーんべーーん”に合わせた一回転もキマり、12分近いパフォー
　マンスでした。
            ＼＼（；＾ホンマに”崩壊”するかぁぁぁぁぁぁぁ！＾；）／／

　そのまま、ズビズビベースがイントロにつながって…

☆２１．Ｉ　ＣＡＮ’Ｔ　ＬＩＶＥ　ＷＩＴＨＯＵＴ　ＹＯＵ　（”DISPENSATION”）

　デュオ序盤までおとなしかった１階席前半ブロック、ここから総立ちになってお
　ります。神保・櫻井コンビの音は、それまでのボーカルナンバーよりも、迫力を
　増している(^^)ように感じられました。
　ツインギター・エレピ・コンガというサポートの面々も含めて、バランスもかな
　り良くなってたと思います。ただ、春名氏の持ち替えで途中に登場する、明るい
　フレーズのアルトサックスソロは、PAでコーラスにかすんだ感もあったかな^^;;。
　白色ライト全点灯のサビやショートドラムソロでは、大きな手拍子が会場全体に
　波及していった感じでした(^^)。

☆２２．ＤＡＮＣＥ　ＯＦ　ＴＨＥ　ＬＡＳＴ　ＮＩＧＨＴ　ＥＶＥ
　（”DISPENSATION”）

　発声がノッてきて余裕が出てきた…かどうかは定かではありませんが、伊藤さん
　も上段２人（３人？（笑））と一緒に、派手に踊っております。ブリッジでベー
　スにスポットが当たっている間に、いつの間にか前に出てきて（笑）余裕のソロ
　を繰り出す大橋氏。この後、ボーカルは少々歌い出しで入り損ねたかな(^^;？
　でもパワーは損なわれてません。エンディングの角松ギターソロ、いつもほどの
　音量^^;;ではないですが、ここでも細かいことやって絡む神保氏でした(^^)。
　最後はベースラインだけになって…

☆２３．ＨＡＲＢＯＲ　ＦＷＹ　（”DISPENSATION”）

　そのままつながって登場。ボーカルはスキャット程度(^^;の隠れインスト（爆）
　ナンバーであります。ベキベキ言わせながら、上段３人とステップを合わせてた
　櫻井氏(^^;。シンセブラス（打ち込み）・ソプラノサックス・アコピとのユニゾン
　に続いて、春名ソプラノソロ→大橋ソロ（また一人でエエトコ持ってくか（笑））
　→神保ソロ→櫻井ソロ→春名ソプラノ→SALTアコピソロ（で、サイズ通りかな？）
　と展開して行きます。サビでは、ライティングもうまくキメとシンクロし、エン
　ディングはクールに始まるSALT氏のアコピソロ。いつの間にか、シーケンサーの
　代わりに手弾きシンセが入って、SALTアコピ・大橋ギター・角松ギターのバトル
　にもなります(^^)。そのまま大団円を迎え、21:13に本編は幕となりました。

　アンコールに応えて10人全員が戻ってきます。チューニングに少し手間取る櫻井
　氏に、マイク通した小声で「もしもしぃ^^;;」と突っ込んだのは角松氏(^^;。

櫻井＞皆さんの惜しみない協力のたまものというか、JIMSAKUのチャレンジに協力
　　　してもらって、大勢の人の前で倒れる^^;;ことも出来ましたし。…名古屋・
　　　大阪ではタンカはなかったんですが、角松君は「じゃ、気絶しちゃえば？」
　　　とアドバイスしてくれる人で…
角松＞どーいう人なんだ^^;;（笑）。
櫻井＞音を使って遊べるパフォーマンスも、これからやっていきたいですし…
　　　客席の方も、それから業界の方も…
角松＞みんな聞いとけよー（笑）
櫻井＞ヒット狙いのビジネスばかりではいけないと思うんですよ(^^)（大歓声）
角松＞…櫻井さんもヒットしたいんでしょ(^^;？
櫻井＞そりゃぁそうですけど（苦笑）、ヒットしていなくても、楽しい音楽の芽は
　　　伸ばそうでは、あーりませんか(^^)（チャーリー浜風に（笑）：筆者注）
　　　（歓声）今日のお客さん、好きだな(^^)。業界の方、この拍手をよく聞いと
　　　いて下さいね(^^;。…あんまりくどいと嫌われますんで…
角松＞まだ大丈夫(^^)。
櫻井＞”神櫻”（漢字にしたのは筆者の解釈）は、ボーカルとインストの境界線を
　　　取るべく、これからやっていこうと思います。黒子軍団もいいプレイで我々
　　　を助けてくれました。伊藤さんもプレッシャーあったと思いますが、角松君
　　　のしごき^^;;にも耐えてくれました。…なんか披露宴の帰りみたいな…
角松＞えー、新郎の櫻井君とは…（笑）
櫻井＞昔”SEA IS A LADY”のコンサートに誘ってくれた時は嬉しかったです(^^)。
角松＞…そんな感じじゃなかったなぁ^^;;。華を全部持ってかれましたから（笑）。
櫻井＞僕も角松君のファンなんですけど、早く”解凍”しないかなと…（拍手）
　　　今年あたりどうですか？（ギターで演歌のフレーズをやる角松氏^^;;・それ
　　　じゃ向谷氏だってば（笑）：筆者注）
角松＞それは別にして^^;;、でも、（神保・櫻井が在籍してた）CASIOPEAの時って、
　　　インストが広いところで聴けて、すごくよかったじゃないですか。今でも、
　　　ジャズフェスとかでは出来ても、こういう所ではなかなか出来ないんですよ。
　　　今回、関係各位のご協力でこんなステージでやれたのは、非常に希なことな
　　　んです。ホントにありがとう、そしてJIMSAKUの二人に大きな拍手を！(^^)
櫻井＞（拍手の中）さすがプロデューサー(^^;。楽しい音楽・ステージを作ってい
　　　こうと思いますんで、これからも応援よろしくお願いします！（拍手）

☆２４．ＤＡＹＢＲＥＡＫ　（”DISPENSATION”）

　ベース→アコピの順にメロをとる、題名通りの絵が広がっていくような感じです。
　ただ、ベースの音が全体より少しへこんだ印象もあったような…途中にソプラノ
　サックスもメロゥにアクセントを入れてきます。後半の指弾きベースソロは、
　一層リリカルでした(^^)。コーラスがクレッシェンドで入ってくると、SALT氏の
　アコピも熱を帯びてきており、いつのまにかドラムのフレーズも”唄って”いた
　ような(^^)。全体に盛り上がりを迎え、どうやって終わるのかなと思ってますと…
　一瞬ブレイクがあって、シーケンサーによるシンセストリングスだけがリピート
　されます。神保氏がヘッドホンをはずして立ち上がり、櫻井氏から、もう一度全
　メンバーが紹介され、そのまま台座を降りてきます。神保・櫻井両氏が角松氏他
　のメンバーと抱擁・握手を交わして、満場の拍手の中を、なぜか最後に角松氏の
　音頭でふざけた(^^;格好で退場。時計は21:34を回っておりました。
　ストリングスでのリフレインは、そのまま閉館BGMとなっていったのでした…
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　＜SET LIST＞　1997.03.13　＠東京・新宿厚生年金会館
    1.MUCHA-CHA-CHA BONITA  2.BLAZE OF PASSION  3.261 BROADWAY
    4.I'M GONNA CATCH YOU  5.ALISA  6.Lipo-D(仮)  7.**  8.CENTRO HABANA
    9.DISPENSATION  10.MAKE MY TIME  11.記憶の街  12.ISLAND  13.UNIMAT(仮)
    14.TRIGGER #10
    [SUPER JINGLE MEDALY] 15.BATTLE ROYAL(IV)〜16.CHASE THE CHRIMINAL(I)
    〜17.PRIZEWINNING(II)〜18.EMERGENCY REPORT(III)〜19.AIMING AT GOAL(V)
    20.CATASTROPHE OF RHYTHM SUITE  21.I CAN'T LIVE WITHOUT YOU
    22.DANCE OF THE LAST NIGHT EVE  23.HARBOR FWY  [ENCORE]24.DAYBREAK

　えー、まず非常に長かったです（爆）。終わってみると、”DISPENSATION”から
は「渋谷PILON」以外は全部やりましたし（AGAHRTAがゲスト参加した名古屋公演と
翌日の角松IDEAKレーベル祭りでは披露したとか：後日注）、ベースソロも角松MC
より長かったようですし（笑）、２階の４列目という席からは、結構楽しめたコン
サートでした(^^)。
　ソールドアウトはしませんでしたが、約2000人収容のホールで、目測推定（爆）
1500〜1600人動員できたみたいです。今回、ボーカルものはシーケンサーを使って
アルバムの世界をそのまま作る試みをしたと思います。
　なんだかんだ書きましたが、私個人の話をすると、ジャズフェス以外でボーカル
をホールコンサートで聴いたのは…４年半前の嘉門達夫＠大阪城ホール満員御礼・
以来かなぁ？(^^ゞ（爆）だもんで、歌もののコンサートの音の作り方は”これが
いい！”というのを言うのは難しかったりします^^;;。
　歌から入ったファンとのバランスや、櫻井氏が言っていた”境界線をとる”コン
セプトも考えて、あえて”もっと”とは言いませんが、次の機会があれば、ボーカ
ルものも、”もう少し””ライヴバンド感”を出してくれると、楽器をなりわいと
するミュージシャンの面も見せた上で、音楽ビジネスとしても続けていけて、いい
かなぁ…と、甘いかも知れませんが、私からは結んでおくことにします。
　では、また(^^)。


　結局、このプロジェクトはその後続かず、1998年２月をもって、JIMSAKUという
ユニットは解消となりました。面白いことを始めても、続けていくことの難しさを
感じた出来事でもあります。

文字正人(QFG03621@nifty.com) with DynaBook from YOKOHAMA
1ST ON LINE: 1997/03/15 (PATIO #089 , FJAZZ/FFUSION #012)
LAST EDITED: 2002/06/30（アルバム情報の一部を修正）