こんばんは、「実況中継ライヴ・オン」文字正人です。

　ナルチョ・是方博邦・熊谷徳明（当時CASIOPEA）の３人での演奏を盛り込んだ、
楽器クリニックの模様です。２年前にも、同じような構成で池袋のライヴハウス・
ＣＹＢＥＲで行われたんですが、その楽器をやってないにしても面白かったので、
ナルチョのセミナー＋熊谷・是方トリオのミニライヴの２本立てイベントをお伝え
します。では、横浜駅西口から、ライヴ・オン！
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　今回の会場は、横浜駅西口の映画館ビル”相鉄ムービル”の中にあります、ロッ
　クというかロカビリーが似合う雰囲気のライヴハウス・ＳＴＡＲＳ。池袋の時と
　比べて、高校生や大学生くらいの、私より年下の男の子が多かった感じです。
　50人ほどのお客さんが予定より30分遅れて^^;;入場。予定より20分遅れの13:20、
　セミナーの講師・鳴瀬氏の登場です。

　＜鳴瀬喜博ベースセミナー＞　1995.09.02　＠神奈川・横浜STARS
　鳴瀬喜博(B)　熊谷徳明(Dr)　是方博邦(Gt)

鳴瀬＞ようこそいらっしゃいました！　ここってオールディーズの店だよね？
　　　ドラム台に私のベースアンプが鎮座ましましてますが。今日はただでしょ？
　　　え、2000円？　じゃぁ2500円分の演奏をやります（笑）。
　　　ここ、夜はライヴハウスとして営業するんで、３時過ぎまでやりますが、
　　　どんどんいかないと演奏ができなくなります^^;;。一応４曲＋アンコール１
　　　曲を用意してますが（笑）、お前らアンコールしろよ！（笑）

　と、序盤からかなり焦ってるナルチョ^^;;。１本つかんだベースにワイヤレス送
　信機がついてなかった一幕も^^;;。
　クリニックの形式は、参加者が事前に書いた質問に答える形式のもの。まずは、
　「右手の人差し指を軸にして回す感じをつかむ」といった、チョッパーの練習法
　から（始めたばかりという女性からの質問）。続いて、左手のミュートを使った
　フレーズなど、かなり懇切丁寧に説明しました。最前列の男の子達は、食い入る
　ように見て聞き入ってました。
　以下に主だった質問に対するＱ＆Ａを紹介しましょう。回答内容はメモした内容
　の要約・再構成です。

Ｑ＞弦の太さはどうやって決めてますか？
Ａ＞やってるうちにやり易いのを、って感じで。今使ってるのは順に、４０・６０
　　・８０・１０５・１２５（でわかるんですね？＞ベーシスト諸氏）。
　　アーム付きの方は細目のを使ってますが、俺これ自分で弦返られなくて（笑）
　　そこにいる堀内君（CASIOPEA INT'L）が１時間くらいかけて張り替えてます。

Ｑ＞エフェクタはどんなのを？
Ａ＞ディストーションとリバーブかな。ディレイは元の音が沈む感じなので使って
　　ないね。後ろのスピーカーは左と右で使い分けてて、左側のチャンネルが生音、
　　右側のチャンネルがエフェクトを通したもの。生音のチャンネルは常に出てい
　　て、右側は出したり出さなかったりしてます。

Ｑ＞弦を増やした時やりにくくなかったか？（ちょっとメモが汚くて、質問は正確
　　ではありませんが、こんな内容だったと思います）
Ａ＞４弦から５弦の時は悩んだね。でも複弦はそうでもなかった。（中略）８弦は
　　４弦と同じような使い方で出来ますんで、ぜひお買い上げを（笑）。
　　今日の舞台監督のTUNEの社長！まだ（時間）いい？

Ｑ＞ハードロックやれて５弦で女の子が持っても重くなくてカッコいいベースあり
　　ますか？（笑）
Ａ＞虫のいい話やな（笑）。５弦ベースが出だしの頃は、４弦から違和感ないよう
　　にネックの幅が狭いのが多かったのね。そういうのならいいんじゃないかな。

Ｑ＞サムピッキングの長所と短所は？
Ａ＞細かい動きが出来ないよね。装飾音が入れられない。でも、手の甲でミュート
　　しながらやってると（実演して）こういう風な音になるんで、やってますね。
　　なんか、前回より高尚な質問が多いなぁ（笑）。

Ｑ＞（あごの）髭はいつ剃ったんですか？
Ａ＞ジャズライフの表紙に櫻井（哲夫）と載った時（95年１月号）に、「老けた」
　　（笑）とか言われたんで剃りました^^;;。鼻の下のも剃りたいんだけど、剃っ
　　ちゃうと青くなってて、間が持たないの（笑）。

Ｑ＞今年になってアンプを減らしたようですが？（６台→４台：筆者注）
Ａ＞台数は減らしましたが、その分音量は上げてます（笑）。クリアでパキパキし
　　た音より、最近は歪ませた感じの方が好きなんで^^;;。いつもいつも大きな音
　　でCASIOPEAのメンバーに迷惑をかけるのもなんなので^^;;。特に若いNORIちゃ
　　んには(^^ゞ。

Ｑ＞最近興味あるバンドは？
Ａ＞昨日カミナリ（ナルチョ＋山岸潤史＋そうる透）でジミヘンとかやったんです
　　が、山岸が「すごいもん見つけたぞ！」って、ＢＢＡのセカンドアルバムの海
　　賊盤持ってきてまして、びっくりしましたが。そうですねぇ、最近興味あるバ
　　ンドといえば、T-SQUAREですか（笑）。
　　若い頃聞いてたのはねぇ、朝起きたらティム・ボカート、夜寝る前にティム・
　　ボカートでしたが、ある時にミッキー・カーチスが「朝起きたときは何とかで、
　　夜寝るときは何とかで」って（別のアーティストを）言ってたんで、「へぇ〜
　　みんなそういう聞き方してるんだぁ」って驚いたことがありました（笑）。

　「もう時間がなくなってきたんで、NORIちゃんの登場でーす！」ということで、
　時計は13:45。ナルチョもそうでしたが、真っ白の衣装で登場です。
　今度は、CASIOPEAナンバーをリズム隊だけで披露する形になります。

☆１．ＴＨＥ　ＰＡＲＴＹ　ＮＩＧＨＴ
　（CASIOPEA”THE PARTY -AUDIO STACK-”GNCL-1072 / GENEON ENTERTAINMENT・2006再発）

　本人も言ってましたが、この頃たいてい持ってこられた曲がチョッパーだった中、
　珍しい２フィンガーの曲。「パターンはタイトだけど、タワーオブパワーとか、
　ジャミロクワイみたいな、ボコボコの感じ」だそうです。ドラムのパラディドル
　も披露されましたっけ。

鳴瀬＞なんかリクエストない？　なに、ASAYAKE？　アホやでお前、あれ２人でやる
　　　の（笑）。PASSIONATE VOLTAGE？しんどい（笑）　CYBER ZONE？忘れた（笑）
　　　CONJUNCTION？もっと忘れた（笑）　FLY TO THE SUN？このあいだのツアーで
　　　やったから覚えてる（爆笑）。いや、今回久々に、どんなのやったのかなと
　　　（池袋の）ビデオ見てたの。喋りは飛ばそうと思ってたんだけど、ず〜っと
　　　喋ってるんだよな（爆笑）。

☆２．ＦＬＹ　ＴＯ　ＴＨＥ　ＳＵＮ
　（CASIOPEA”DRAMATIC”VRCL-2236 / Village RECORDSより再発）

　実は２年前の池袋でも２人でやった曲。ナルチョチョッパーが存分に満喫できる
　演奏でしたね。やる前に”８−８−２−２−２−２ね！”と熊谷氏と打ち合わせ
　てましたが、これは、ギターソロが終わった後のベースとドラムソロの小節数。
　今回はそのソロまでで終わってしまいましたが^^;;、リズム隊だけでも楽しませ
　てくれる曲でした。

鳴瀬＞ああしんど！^^;;　このベースパターン難しいんですよ。それと細かいのを
　　　入れても、レコードだとキーボードやらにマスキングされて消えちゃうのよ。
　　　（消えたのをそのまま弾いてみて）これじゃバカじゃない。（入れたのを弾
　　　いて）こうやらないとノリがないじゃない。裏にある真実を捕まえなきゃい
　　　けません（ここだけ言い方が大層で（笑））。
　　　しまった！もう２時だ！是方博邦！（拍手）

　ということで、ここから第２部のミニライヴになります。時刻はちょうど14時。

是方＞そうかぁ、ナルチョこんな難しいことやってたんやぁ(*^^*)。
鳴瀬＞今ごろわかったんか^^;;。で、曲どうする？　じゃぁサイモン＆ガーファン
　　　クルで（笑）、（エレアコ＋５弦で）”戦争を知らない〜”（爆笑）　えー、
　　　次は５弦でＨｉＣを張った方を。これ、何がいいかって、高い方の弦でコー
　　　ドが弾ける。ベースは小さなオーケストラ…（し〜ん）受けなかったか^^;;
　　　今日２度目の人！（私と例の相棒など何人かが挙手）　そんなにいないから、
　　　同じネタでも大丈夫だな（笑）。

☆３．ＴＥＡＲＳ　ＯＦ　ＪＯＹ　（是方博邦）

　バンドでやると、エレアコの時もエレキギターのクリアトーンの時もあったかな？
　明るい是方曲を、エレアコと５弦ベースのデュオで披露。シンプルなアレンジな
　がらも、２人が揉み合うというか絡み合うというか、そんな感じでしたか。
　ナルチョ曰く”サイモン＆ガーファンクルごっこ”だとか^^;;。（どこがや（笑））

　「他に聞いておきたいことはないか？」ということで、フリーの質問コーナー。

Ｑ＞ベース・エクササイズはどんなふうにやってますか？
鳴瀬＞エクササイズはあまりやらないんだな。ツアーやる前に曲を思い出して練習
　　　するくらいかな。あと、東京音大で講師をやるときにクロマチックとかを、
　　　って程度かな。是方さんは？
是方＞自分のフレーズはやるね。

Ｑ＞どうしてTUNEを使ってるんですか？
鳴瀬＞社長はどうしようもないけど（笑）、革新的なんだよね。15年くらい前から
　　　アーム使いたくて、ケーラーのとか使ってたけど駄目だった。で、（92年に
　　　発表したケロンパチは）俺に内緒で作ってたんだよね。こういうことされる
　　　と嬉しいじゃない(^^)。小回りがきくのよ、小さい会社だから（笑）。

☆４．ＪＵＩＣＹ　ＪＡＭ　（CASIOPEA”Freshness”PCCR-00150 / PONY CANYON）

　ベースのアーミングから、ギターとシンバルが絡んでいって始まったのは、当時
　のCASIOPEA最新作に納められた、最も下品なナンバー^^;;。テーマの後はベース
　とギターが12小節×４のソロ回しを。２回目のテーマ部分は、コード楽器が一つ
　ないこともあって、少々雰囲気が変わってました。後半ではイキっぱなしの^^;;
　ギターソロで盛り上がり、エンディングはメチャクチャやかましかったッス(^^ゞ。

鳴瀬＞野呂ちゃん役ご苦労様(^^)
是方＞ＣＤと全然ちゃう演奏になったと思います^^;;。
鳴瀬＞（小声で）業務連絡！スパイ大作戦！　是方、もっとしゃべれよ。
是方＞俺、今日はバックやもん。
鳴瀬＞バックやったらバックらしくやれよ、頭が高い（笑）。
（かがむ是方（笑））
是方＞今日もいっぱい来てくれはったなぁ。
鳴瀬＞（場所柄）こういう（リーゼントした）のが間違えて来てたらどうしようか
　　　と思った（笑）。

☆５．ＭＩＳＳＩＯＮ　ＩＭＰＯＳＳＩＢＬＥ

　是方氏が色々な編成でやっていた曲。ギターソロのバックでは、最初は４ビート
　っぽかったですが、後半ではギターに呼応して熊谷氏も一緒に盛り上がって行き
　ました。３分に渡るギターソロを含む、７分近い演奏になりました。いつも懸案
　らしい、エンディングのキメは…やっぱり大変だったなぁ^^;;。

鳴瀬＞スッパイ大作戦、いやシッパイ大作戦でした（笑）。次は…
是方＞そんなに次々やるか？はよう終わるで^^;;。
鳴瀬＞次ソロがあるもん（笑）。ソロと言えばですね、”SESSION XX”ってのがあ
　　　りますが（NHK-FM土曜夜の公開ライヴ番組・現「SESSION 505」：筆者注）、
　　　あそこでは、ドラムとベースソロは大体時間調整なんだよな(^^;。太鼓２分・
　　　ベース２分とか言われても数えられないって言うと、「あそこに大きな時計
　　　がありますんで」って^^;;（ステージと反対側に見易いアナログ時計があり
　　　ます・筆者注）。時計見ながらやってるんだよね。今日のは時間延長しちゃ
　　　うと、このままロックンロールやってたりして（笑）。

☆６．ＨＥＡＲＴ　ＯＦ　ＥＡＲＴＨ
　（是方博邦”KOREKATA”VRFL-1026 / Village RECORDSより再発）

　６連ビートの、これまた激しい是方曲であります。この辺は５弦（Low-B付き）
　でやってましたっけ。ギターソロで盛り上がった後、熊谷氏のソロになります。
　この日全般に思えたんですが、編成も影響してるとは思いますが、熊谷氏の音が
　素直によく聞こえる感じがしたのと、彼がCASIOPEAに加入した頃によく聞かれた
　”スポン！”というハットとスネアの複合音が、久しぶりに聞かれた感じがしま
　した。ソロが始まってからナルチョが何やら堀内氏に指示を。しばらくすると、
　ずっとついたままだったステージの照明がフラッシングを始め、スポットも当て
　られて、生き生きした３分間のドラムソロが楽しめました(^^)。

　ここで、なぜか是方氏と熊谷氏が”ナルチョを語る”みたいなコーナーに。

是方＞ナルチョのベースって、インパクト強いでしょ？　一緒にやると強力ですわ！
　　　みんなもプロになって機会があったらナルチョを雇って下さい(^^)。もう、
　　　助けられることが多くて。NORIちゃんも感じることが多いと思うけど、普通
　　　にない個性がいい感じで。４ビートやっても８ビートみたいな感じで（笑）
　　　（ナルチョ：それ、誉めてるんか？（笑））　NORIちゃんが最初にやった時
　　　って、どんな感じやった？
熊谷＞リハの時に初めてやらせてもらったんですが、まず、ノリが大きいんです。
　　　（ナルチョ：音がでかいだけやろ（笑））　ノリが包み込んでくれるような
　　　感じで、入ったばかりで自分の存在を出そうとしてたんですが、存在が見え
　　　なくなるくらい包まれてました(^^)。
是方＞最初にこの人とやったら、後は物足らんでしょ（笑）。
熊谷＞僕と鳴瀬さんが音で会話をしてたのわかります？　さっきのメロのところで、
　　　ベースがアクセントでフィルインを入れてくると、僕がそれに対して返す、
　　　そういうちょろちょろした会話をやって（是ちゃん受ける（笑））、にこっ
　　　とした時というのはね、会話がうまいこといって”コンチキショー(*^^*)”
　　　（笑）っていう感じなのね。
鳴瀬＞なんか、”鳴瀬喜博を送る会”みたいじゃんか（爆笑）。
是方＞でも、ベーシックな部分はちゃんとしてるから、僕ら”うわもの”は、すご
　　　い解放された感じでできるんですよ。こんな音がでかい人はいません（笑）。
　　　これで、鳴瀬さんのベース歴４０年の歴史を終わります！（爆笑）
鳴瀬＞ありがとう！　ええはなむけの言葉やった（爆笑）。なんか、最後のライヴ
　　　がこれでは寂しいなぁ（笑）。

☆７．ＮＯＷ　ＯＲ　ＮＥＶＥＲ
　（後に”野獣王国LIVE”YJOK-001〜002 / BLACK BOXに収録）

　ナルチョがソロのライヴでベースソロをやるときによくやってるナンバー。２分
　ほどのギターソロのバックでも、「人のバックかぁ！」と思うくらい弾きまくっ
　てました^^;;。自身のソロは６分近いパフォーマンス、もうお馴染みのフレーズ・
　パターンが次から次へとでてくる、”派手なナルチョを必要かつ十分に楽しめる
　ナンバー”ではないかと(^^)。ソロのラストは、CASIOPEAで一時期やっていた、
　だんだんテンポを上げてドカーン！と終わるパターンをやってくれました(^^)。

　一応挨拶をしますが(^^;、予定通りのアンコール。

鳴瀬＞やっぱり激しい曲ばっかりやったなぁ。リハの時は、スローも１曲その場で
　　　やろかとか言ってたんですが、やらんかった^^;;。よっぽどウップンがたま
　　　っとるんやな（笑）。（中略）　で、この曲どうするんやったっけ？
是方＞ガーンっていって、終わってからガガーン！と…（爆笑）

☆８．ＧＲＡＳＳ　ＨＯＰＰＥＲ　ＳＨＵＦＦＬＥ　（是方博邦）

　前回ジロキチでこのメンツでやったときもやったかな？「TAKE COURAGE」系の、
　結局これも激しいナンバー^^;;。熊谷氏の表情にも少し余裕がでていた感じで、
　本当に頼もしくなった感じがしました。目一杯派手なギターソロが３分半(^^)、
　最後まで３人とは思えない音量で迫っってました(^^;。
　１時間４０分の真昼のライヴでありました。
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　＜SET LIST＞　1995.09.02　＠神奈川・横浜STARS
    1.THE PARTY NIGHT(B+Dr)  2.FLY TO THE SUN(B+Dr.)  3.TEARS OF JOY(B+Gt)
    4.JUICY JAM  5.MISSION IMPOSSIBLE  6.HEART OF EARTH (incl.Drums Solo)
    7.NOW OR NEVER (incl.Bass Solo)  [ENCORE]8.GRASS HOPPER SHUFFLE

　時間が決まっていたのでおしゃべりは少々少な目でしたが(^^;、なかなか”面白”
かったクリニック＆ライヴでした。では、また(^^)/"


文字正人(QFG03621@nifty.com) with DynaBook from YOKOHAMA
1ST ON LINE: 1995/09/03 (PATIO#053)
LAST EDITED: 2007/04/03（GENEON ENTERTAINMENT（旧PIONEER LDC）発売盤の再発売に伴う修正）