こんばんは。文字正人です。

　６月２本目は、私の番組の中では珍しい方になる、歌ものの方のライヴです。でも、
このサイトを隅から隅までご覧の方にはお馴染み…になってればいいな^^;;と思う方
です。ティン・パン・アレイ時代から活動していた”MUSICIAN'S MUSICIAN”の異名を
とる人、佐藤博氏が、７年振りにCDを発表し、一年振りのライヴをやるというので、
東京０泊２日（爆）をして行ってきました。
　その後にシゴトが爆発し(^^;大変遅くなりましたが、東京六本木からライヴ・オン！
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
　夕方の新幹線で東京に着くと、小雨は残ってましたが、傘無しで歩けないことはな
　かったかな…。有楽町から営団地下鉄日比谷線へスイッチし、最近は一日に数十万
　人が見物(^^;に利用するようになった六本木駅を、芋洗坂方面へ出ると…ここから
　見えるんですねぇ、六本木ヒルズの”MORI TOWER”が。　坂を右折して、19時前に
　当番組でもお馴染みになった、ライヴ・レストランSTB139へ着きますと、かなりの
　お客さんが、もうお酒とお料理を楽しんでいたところです。

　手っ取り早くお腹がふくれる、ハンバーガープレートを頼み、水割りが２杯目にさ
　しかかったところで、環境映像＆音楽のCSチャンネルが流れていたステージ上方の
　スクリーンが、20:01に電動装置で引き上げられ始め、外が見える窓もロールカー
　テンが降ろされていて、２階も１階も目測推定９割近くが埋まっている客席から、
　拍手が起こります。

　＜佐藤博＞　2003.06.21　＠東京・STB139
　佐藤博(Vo,Key)　重住ひろこ(Vo,Cho from SMOOTH ACE)　鳥山雄司(Gt)
　MIKE DUNN(B)　渡嘉敷祐一(Dr)　
　SMOOTH ACE(guest Cho:重住ひろこ　平慎也　李眞姫　岡村玄)　中島正雄(guest Gt)

　ベテランリズムセクションに、古くから交流のある鳥山氏、そして、ここ数年の
　ライヴでコーラスとして加わっている、コーラスグループSMOOTH ACEのリーダー
　格（に見えるのは私だけ？）・重住さんという、近年のライヴでいっしょにやっ
　ている息のあったメンバーが、この日のメンバーであります。

　まずは佐藤氏が一人、拍手の中をステージに現れます。エレピや複合音色を弾く
　のに使う、マスターキーボードRoland A-90が客席に面して置かれ、奥の椅子に
　座って90度向き直ればグランドピアノが弾けるようになっています。
　まずは、マスターキーボードの方を向いて弾き始めたのは…

☆１．ＧＥＭＩＮＩ　（1983”THIS BOY”ALFA RECORDS・入手困難）

☆２．＊＊

　ローズ系エレピに、ストリングス系パッドがふ〜っと重ねられた音色で、元曲は
　トロピカルな雰囲気のインスト曲。これを、更にゆったりしたテンポで、バック
　トラック無しのフリーテンポで奏でます。１コーラス、聴いてる側もふ〜〜っと
　リラックスさせたところで、ストリングスの持続音を鳴らしたまま、生ピアノの
　方へ移ります。
　uhh...とハミングしながら、しっとりlegatoなピアノソロから、その間にスタン
　バイしていたドラムが、ブラシで刻み始めて加わり、Ｇ△キーでのブルースが始
　まります。佐藤氏、シャウトが少し入りながらも、リラックスした雰囲気の声と
　ビートで進んでいき、後半でＡ△へ転調すると、ビートも声もヘビーになってい
　きました。

　２曲終わったところで、佐藤氏からご挨拶です。この間に、他のメンバーも入っ
　てきてセッティングにかかります。

佐藤＞どうもありがとう。こんばんは、お久しぶりです。（拍手）
　　　…喋る時は、眼鏡を外さないと(^^;。今日も、前回ライヴと同様のメンバー
　　　でお送りします。最後まで楽しんで下さい。よろしくぅ〜。（拍手）
　　　20年前に出した”AWAKENING”っていうアルバムから、子守唄のような曲を。

☆３．ＢＬＵＥ　ＡＮＤ　ＭＯＯＤＹ　ＭＵＳＩＣ
　（1982”AWAKENING”MHCL-648 / GT music - Sonyより再発）

　アタックが特徴的なピアノ＋ヴォイス系パッド複合音色で、しっとりとイントロ
　ソロを始め、佐藤氏の声と鳥山氏のセミアコギターからスタート。　リズム体が
　スーッと加わっていき、清涼感あふれる声が響きます。サビの「AS I PLAY...」
　ってところで加わる重住コーラス、さり気ないけど出るところは出す、上手さを
　感じさせます。ピアノソロになると、コーラスも効かせた懐かしさも覚える音色
　で、アルバムテイクのフェイクかな？という感じのフレーズを展開します。続け
　てギターもソロへ。アンサンブルに溶け込むボトムと、涼しげなドラムのブラシ
　ワークで、心地いい時間が流れます。ピアノ＋パッドも入って、少し長めにソロ
　を展開、ボーカルに戻って締めるまで、オリジナル版より長めの１曲でした。

　ギターがチューニングを…いや、そのままリズムを刻み出して始まりました。

☆４．山手ホテル
　（1977”TIME”ARCD-1002 / ARDUN RECORDSより再発）

　今度は、2003年春に再発売されたソロ２作目に収めた、ボッサ調ビートに乗せた
　ミディアムスローナンバー。少しシャウト気味の声とクリアな声質の両方を使っ
　て、爽やかに聞かせます。シンプルな雰囲気のアンサンブルですが、首を振って
　ビートを刻んでる鳥山氏も印象的です。終盤で転調してからのエレピソロを始め
　として、シンプルだけどカッコイイアンサンブルでした。

佐藤＞えっと、ここで、鳥山君の曲を一曲やりたいと思うんですが（拍手）、あれ？
　　　マイクは？
鳥山＞（探しながら）これ？後ろのやつ？なんか結婚式の二次会みたいですが(^^;。
　　　ただいまご紹介に預かりました鳥山です、違うって（笑）。こんばんは、
　　　鳥山雄司です。一曲やれって言われたんで、”Dear”っていうアルバムの曲
　　　を、練習してやるんですが、それはおいといて、佐藤さんにいいお嫁さんを
　　　探してますんで（爆笑）。
佐藤＞次の曲が「おかえり」っていうんですが…ここ十数年聞いたことがない^^;;。
鳥山＞可愛いワンちゃんがいるだけで(^^;。いい人がいれば…って、私仲人オバサン
　　　じゃないですが（笑）。「おかえり」と言ってくれる人、募集してます。
佐藤＞…待ち遠しいねぇ(^^;（爆笑）。

☆５．おかえり
　［鳥山雄司”Dear”SRCL-5056 / Sony Records］

　…てなエピソードはともかく、鳥山氏のセミアコギターが、優しいメロディーと
　伴奏を一人で始めます。メロディーがベースでも綴られ、佐藤エレピも加わると、
　鳥山ギターがよく鳴くようになり、エレピも、それに呼応していったり、ピッチ
　ベンドをかけてシンセリードみたいにも聴かせたりしていきます。ピックを口に
　くわえてしっとりと聴かせながら、終盤では、佐藤氏をけしかけるような感じで
　ソロを展開させ、coolでいて、且つタイトル通りのアットホームな雰囲気も聴か
　せてくれました。

佐藤＞じゃぁ、コーラスの重住さんに、僕の曲を一曲歌ってもらいます。
重住＞こんばんは(^^)。３〜４月に、SMOOTH ACEで北海道へ行ったら、「佐藤さん
　　　のライヴで吉田美奈子を歌ってたよね」って言って、ライヴに来てくれた人
　　　がいたんです(^^)。
　　　ってことは、北海道に住んでいて、こちらへ来てらっしゃるんですよね(^^;。
　　　今日も、関東以外からの方は？（目測推定で１〜２割が反応：筆者含む（爆））
　　　…いるんですねぇ。
佐藤＞次の曲、「RAINBOW SEA LINE」を、最近カバーしてる人がいるんだけど、
　　　…思い出せない^^;;。（客席から、アン・サリーと言われて）
重住＞あ、そうそう！スゴイヒットしてるんですよ。よかった、スッキリして(^^;。
佐藤＞じゃあ、その「RAINBOW SEALINE」を。

☆６．ＲＡＩＮＢＯＷ　ＳＥＡＬＩＮＥ
　（1976”SUPER MARKET”COCA-11141  / COLUMBIA MUSIC ENTERTAINMENT）

　ある程度の年代の方は吉田美奈子の歌でご存知と思いますが、楽曲提供は佐藤氏
　ということで、ここ数年ライヴで披露しています。これもボッサビートで、佐藤
　エレピから、少しけだるそう…というか、だんだん力が入っていく感じが、若い
　のに…っていうと失礼ですが、実に上手いのが、重住嬢であります。中盤で挟む
　ギターソロ、音は力強く、フレーズはメロディアスに、心地いいビートに乗せて
　聴かせます。終盤になるにつれて、エレピが饒舌になっていきますが、声が良く
　通る声で、歌とのバランスがちゃんと取れています。この辺りのバンドサウンド
　との相性の良さは、SMOOTH ACE本体にもフィードバックされてると、彼らの近作
　”AOR//DAY:”を聴いた感じでは、個人的には思っています。

佐藤＞えーっと、久しぶりに新しいアルバムを出しまして、ホントは前回のライヴ
　　　で発表するつもりだったのが、完成に程遠く…、主にコンピューターのせい
　　　で、トラブル続きだったんだよね、鳥山君ね。（急に振られるが頷く鳥山氏）
　　　エルヴィスの曲を中心に作った”THAT'S ALL RIGHT”というアルバムなんで
　　　すが、その中から、僕にとっては、40年前に毎日歌ってた、レパートリーの
　　　ひとつです。

☆７．ＤＯＮＴ’ＢＥ　ＣＲＵＥＬ
　（”THAT'S ALL RIGHT”SMD-0001 / ARDUN RECORDS）

　今度はレゲェ系かな？なビートで、どこからか手拍子も起こり始めます。先日、
　”CROSSOVER JAPAN'03”にパラシュートで出演した時も歌を披露した、ベースの
　マイク氏も、低くて味のあるコーラスをサビで聴かせます。シンプルなビート＆
　アンサンブルでも、カッコイイもんはカッコイイです。歌いこんでいた曲な為か、
　それとも演奏が気持ちいいのか、佐藤氏のボーカルが段々ノッてくるのが、聴い
　てるこちらにも、良く伝わってきた感じでした。

　今度は、エレピの音色をちょっとハードな方に切り替えて…

☆８．ＢＡＤ　ＪＵＮＫＹ　ＢＬＵＥＳ　（1977”TIME”）

　テンポ100位？のＧ△ブルース・でもビートがカチッとしてて佐藤流という感じの
　曲です。エレピでベースもカバーしたりして、ボトムがドスーンと響きます。
　段々叫びまくるエレピソロで、やはり鳥山氏は、首振ってノッてビートを刻んで
　います。ギターに歪みが加わると、今度はエレピがガンガンとあおっていく展開。
　これがもうカッコイイ(^^)。最後はマイクをもってシャウトが入ったりして、
　匂うような泥臭さというのはあまり感じませんが、ブルースはブルースだよな、
　というアンサンブル、最後はエレピ・ドラム・ギターがガンガンと刻んで、賑や
　かに前半戦終了となりました。

　その佐藤氏の新作”THAT'S ALL RIGHT”が、休憩中に一曲目から流れ出します。
　６曲入りだから、休憩中に全部流れてしまう？なんて考えながら、三杯目を飲っ
　てると、５曲目の途中くらいかな？の21:01、音が下げられて、バンドメンバー
　が揃って出てきます。重住嬢は衣装を変えてきたかな。
　A-90側に座った佐藤氏が、独特の音色のピアノ（＋ボイスパッドを薄くレイヤー）
　を弾き始めます。

☆９．トムソーヤの午後　（1996”ORACLE”TOCT-9706 / TOSHIBA EMI）

　活動休止前の一番新しかった作品に収めた、サエキけんぞう作詞のほのぼのした
　８ビート曲が、３拍子の少しルーズなビートに乗せる形で始まります。それだけ
　で、元バージョンとはガラッと雰囲気が変わります。これ、サビのコーラス合わ
　せにくそう(^^;なんですが、それこそ、曲名が因んだ童話の世界のような、懐か
　しい風景が浮かんでくるアンサンブルです。中盤では、甘い音色のギターソロが
　クイクイと聴衆を惹きつけます。woo...と入ってくる佐藤氏の声も心地よく、
　一回りスケールが大きくなった感じだったでしょうか。

☆１０．ＭＹ　ＨＯＭＥ　ＴＯＷＮ
　（1990”TOUCH THE HEART”ALCA-9149 / ALFA MUSIC）

　続けて、しっとり短めのピアノソロから、今度は、その名の通り、故郷へ帰って
　きたという歌です。リズムといい、さり気なく声を厚くするマイク氏のコーラス
　といい、元バージョン以上にカントリーな雰囲気を漂わせます。キレのある音色
　のディストーションギターが、中盤では肉声のように叫ぶソロを披露。無駄のな
　い、カッコイイ音です。曲が進むにつれ、段々スケール感が大きくなっていきま
　した。

☆１１．ＬＯＶＩＮＧ　ＹＯＵ
　（1993”HAPPY & LUCKY”ALCA-9152 / ALFA MUSIC）

　今度は、ローズ系エレピに持続音（オルガンっぽかったような…）を混ぜた音色
　で、ハードな雰囲気のリフから始めます、ミディアムビートナンバーへ。　重住
　さんのコーラスが力強く、言い雰囲気です。中盤のエレピソロは、エレピのタッ
　チと持続音の両方で巧みにアクセントをつける、絶妙な音を繰り出します。２コー
　ラス目になると、ドラムが全身でビートを繰り出すような表情になってきます。
　ここでのギターソロは、歌の続きのように盛り上げていき、ドラムも力強くなっ
　ていきます。オリジナルはマイナーコードなんですが、歌が終わってからメジャー
　コードになり、うなるギターソロや力強いコーラスで、更に明るくなります。
　これも、何気にカッコ良かったなぁ(^^)。

佐藤＞どうもありがとう。（拍手）ここで、今夜のゲスト、SMOOTH ACEの重住さん
　　　がやっている…SMOOTH ACEです。（笑）
重住＞重住です（笑）。…出られないじゃないですか(^^;。
佐藤＞(^^;　今夜のゲスト、SMOOTH ACE！（拍手）

　と、ちょっと出にくかったですが（笑）、お揃いのオレンジ色のスーツに身を包
　んだ、残り３人のメンバーが入ってきます。
　「決まってるねぇ！ズッコケなかった？」と言ってるのは佐藤氏(^^;。

佐藤＞あ、お喋りは後にする？曲先にする？
　　＞佐藤さん次第です(^^;。
佐藤＞おーい、重住ー！あと？曲先？
重住＞佐藤さん次第です(^^;。
　　＞ここで決めるなと、突っ込みが入ってるような(^^;。
佐藤＞じゃ、曲からいこうか。（笑・拍手）

☆１２．ＲＥＭＡＩＮＳ
　［SMOOTH ACE”REMAINS”TOCT-24545, ”AOR//DAY:”TOCT-24929 / TOSHIBA EMI］

☆１３．逢いたいね　［SMOOTH ACE”AOR//DAY:”］

　ということで、発売になったばかりのアルバムに収めている２曲が始まります。
　まずは、ミディアムビートナンバーを、ギターとボーカルだけで聴かせます。
　重住さんがメインボーカルで、３人でリズムとハーモニーを聴かせるアレンジで
　すが、サビのハモリ方とか、メインボーカルとのバランスを取りながら音を厚く
　するあたり、息が合ってるだけでなくて、”うまいっ！”って言ってしまう(^^;
　ような力強さです。
　続いては、佐藤エレピから始まってバンドサウンドで聴かせる、ミディアムスロー
　ナンバー。少し切ない詩を、サビでぐーっと明るく盛り上げて、逆に元気になり
　そうな雰囲気を作ります。これもメインボーカルは重住さんで、可愛く行くとこ
　ろと力強く出すところの両方を、自然に歌い分けます。そして、ビートを刻んで
　いるバンドサウンドが、心地よい上に、何気にカッコイイ(^^)。終盤でサビから
　転調させるところでは、バンドメンバーから自然に手拍子が起こり、ドラムが更
　に盛り上げてビートが戻っていきます。ラストは、ビートに乗りながらも切ない
　雰囲気を醸し出し、４人でビシッと決めて見せました。

　「ここでインフォメーションなんぞ…」と切り出す佐藤氏に、「いきなりですか！
　どういう人達か紹介してもいいですか(^^;？」と、切り返す重住さん(^^;。

重住＞SMOOTH ACEです。こんばんは！
　　　…大体、どんな感じかおわかり頂けたと思いますが、ハーモニー大好きな、
　　　ボーカルグループです。佐藤さんのライヴには、ずっと一人で参加させても
　　　らってきましたが、今日は４人で参加できるのですごく楽しみにしてました。
　　　リハーサルもサクサクと進む…と思っていたら、ここはこうしようよとか、
　　　イントロはハモろうかとか、アイデアを沢山いただきました。　ここまで、
　　　お楽しみいただけました？（拍手）

　といったところで、メンバーを紹介して…

重住＞さっきも言いましたけど、佐藤さんのライヴを見て、スムースに来てくれた
　　　人がいました。で、７月にライヴをやります。気に入ったぜ！と来てくれる
　　　と嬉しいので、詳細はよろしく。（笑）
　　　（詳細は間に合わないかもしれないので^^;;省略）
　　＞STB139は断られました(^^;（笑）。絶対登りつめるぞ！（笑）
重住＞次はぜひ、STBで！
佐藤＞営業上手だねぇ（笑）。
　　　…さて、ここで僕は…コーラス自体がすごく好きで、前から、SMOOTH ACEと
　　　一緒にやりたくて…。で、せっかくなので僕の曲で一緒にやれないかなと。
　　　いうことで、「FANTASY」をやります。…椅子がないかな？

　と、ステージ中央にスツールが用意され、SMOOTH ACEの４人が取り囲む状態に。

重住＞取り囲んでみました(^^)。
　　＞家族写真みたい(^^;。
佐藤＞…新しいメンバーの佐藤です^^;;（爆笑）。思いっきり、平均年齢を上げて
　　　ると思います(^^;。…前にキーボードがあると、まだ安心できるんだけど、
　　　何も無しで喋るのって苦手で、なんか、トイレを覗かれてるみたいで落ちつ
　　　かなくて^^;;。…とっとと曲いきましょう^^;;（笑）。

☆１４．ＦＡＮＴＡＳＹ
　（1987”FUTURE FILE”ALCA-9147 / ALFA MUSIC）

　鳥山氏のセミアコギターで、オリジナルのエレピのフレーズを殆どカバーする形
　で始まります、ミディアムテンポの気持ちいいナンバーです。佐藤氏とスムース
　の５人でユニゾったりハモったりしてるのが、めっちゃめちゃ気持ちいい(^^)。
　そして、ＣＤだとコーラスに一人多録まで重ねてあるハモリを、生で聴いた瞬間、
　ビビッと来るものがありました(^^)。ハモリだけでなく、シンセソロの展開部分
　などで、ギターで刻んだりしてカバーする辺りの上手さも光ります。ここまでで、
　個人的にはベストのパフォーマンス…平たく言うと儲けもん（笑）でした(^^)。

　バンドメンバーも歓声をあげて、SMOOTH ACEの４人を送り出します。

佐藤＞実は、今日はもう一人…、チラシには書いてないんですけど、今回の新しい
　　　アルバムにも参加してくれた、ギター・中島正雄！（拍手）

　ステージ向かって右端の方にアンプを構え、恰幅のいい(^^;男性が登場します。

佐藤＞…中島くん、何か喋ってよ(^^;。
中島＞いきなりきましたね(^^;。ただいまご紹介に預かりました（笑）、中島です。
　　　佐藤さんのアルバム発売記念ライヴなんですが、全然話してないでしょ？
佐藤＞そういうの、苦手で苦手で^^;;。
中島＞後で、責任者呼んで話してもらいましょう(^^;。
佐藤＞彼は、今回のアルバムで復活…
中島＞ギターはやめたつもりないんだけど(^^;。今はレコード会社をやってまして…
佐藤＞社長です。1976年に僕がデビューアルバムを出した会社（日本コロムビア：
　　　2003現在はコロムビアミュージックエンタテイメント：筆者注）です。
　　　（ちょっとどよめき）
中島＞今回、アルバムを作るにあたって、僕が何してるか知らずに、ギター弾いて
　　　って電話がかかってきて、「土日ならいいです」っつって参加しました。
　　　どうもありがとう！（拍手）
佐藤＞20年近く前のアルバム”SAILING BLASTER”のディレクターでもあるんです。
　　　更にその昔、30年くらい前は、WEST ROAD BLUES BANDとか、ブルースハープ
　　　の妹尾（隆一郎）くんのバンドのギターでもあります。
　　　彼のブルースだましいで、１曲行こうかな…（拍手）

☆１５、ＡＩＮ’Ｔ　ＮＯＢＯＤＹ’Ｓ　ＢＵＳＩＮＥＳＳ
　（”THAT'S ALL RIGHT”）

　ということで、その新作から、ごおぉぉん…とよく響くハードな音色のエレピ＋
　オルガンレイヤー音色から始まる、プレスリーのカバー曲であります。
　中島ギター、も〜うこれが鳴く鳴く！　佐藤氏との相性もかなり良さそうです。
　テーマを終えた所で、「トリヤマ！」と佐藤氏が叫ぶと（ちょっとタイミングを
　外し気味に^^;;）、鳥山氏のギターソロへ。首を少しすくめながら(^^;、こちら
　もタメるタメる(^^;。佐藤ボーカルも叫ぶ叫ぶ、更にタメが長くなっていき、
　終盤には中島氏もソロを取り…今度はグイグイと引き付けられます。ホンモノに
　出会い頭で逢ってしまった(^^;という感じでしょうか。一転して、オトナの渋い
　セッションになった１曲でありました。

　「中島正雄！」と高揚して叫び、生ピアノのほうへ佐藤氏が座ります。と、ここ
　で、さっき話のあった、今回のアルバムの責任者（笑）という方を招き入れます。

井上＞アルダンレコードの井上でございますぅm(__)m。佐藤さんの、７年ぶりの、
　　　涙涙の新譜を、完成させていただくことになりました。…噛まずに一生懸命
　　　喋らせていただきます（笑）。

　…てな感じで、ライヴ会場でのアルバム先行発売や記念Ｔシャツ販売の告知等を、
　レーベル担当者に任せてしまい（笑）、「素晴らしい！」とのたまった佐藤氏(^^;。
　続いての曲も、中島氏を交えて…

☆１６．ＢＡＢＹ，　ＷＨＡＴ　ＹＯＵ　ＷＡＮＴ　ＭＥ　ＴＯ　ＤＯ
　（”THAT'S ALL RIGHT”）

　新作から、もちろん、エルヴィスのカバー曲。佐藤氏の生ピアノとボーカルから
　始まり、手拍子の上でグルーヴを始めます。バンドメンバーとの息もピッタリで、
　跳ねたビートでテーマをドライヴさせると、また「トリヤマ！」の一声でギター
　ソロ・バトルへ。先攻の鳥山氏が伸びやかな音色＆フレーズで攻めると、後攻の
　中島氏はコシのある年季を感じさせる音色で、どちらもベテランなんですけど、
　上手くコントラストを付けたバトルを聴かせます。バシッと決まったところで、
　ドラムの大きなリアクションから、今度はピアノソロへ。　鳥山氏・渡嘉敷氏が
　振りを合わせてブレイクを入れるなど、ステージの上はかなり盛り上ってました。

　佐藤氏がA-90の方へ向き直り、重住さんもステージへ戻ってきます。エレピ（＋
　オルガン）と声のチューニングを済ませたところで…

☆１７．ＴＨＡＴ’Ｓ　ＡＬＬ　ＲＩＧＨＴ，　ＭＡＭＡ
　（”THAT'S ALL RIGHT”）

　ファンキーなエレピ＋ドラムのビートで始まります、新作のタイトル曲でもある、
　もちろんエルヴィスナンバー。自然に手拍子も起こる盛り上がりです。テーマを
　終えた所で、今度は中島氏に振られますが…少し間があいて(^^;、でもバッチリ
　と熱いフレーズを聴かせ、エレピと少し掛け合いをするような感じで、鳥山氏へ
　バトンを渡します。そして、ドラムのビートだけになったところでメンバー紹介。
　ブリブリとベースをうならせて、ニコッと笑ってバーン！と締めるマイク氏。
　ヘビーなビートながら、シャープなフレーズも畳み込む渡嘉敷氏。ディストーシ
　ョンをかけて刻みを聴かせる鳥山氏。ハミングからカッコイイフェイクを聴かせ
　る重住さん。ペダル奏法も混ぜたりしながら、楽しそうに技を繰り出す中島氏。
　そして、重住さんから佐藤氏が紹介されて、元テーマへ戻っていく…いや、ビー
　トルズの「GET BACK」のテーマをやってたりもする(^^;。最後の方は６連ビート
　でビシバシ盛り上げたりして、ファンキーさという点ではここまで一番のアンサ
　ンブルで、22:03に本編が終了。なぜか鳥山氏が、他のメンバーを拍手で送るよう
　な格好で(^^;、メンバーはいったん下がります。

　アンコールに応えて４分後、バンドメンバー＋SMOOTH ACEも４人全員でステージ
　に戻ってきます。…戻ってきたメンバー、全員アルバム発売記念Ｔシャツを着て
　ます(^^;。佐藤氏は、さっきもありましたが、ステージ真ん中にいます。

佐藤＞もう１曲…なんか緊張してしまう、このシチュエーション(^^;（笑）。
　　　…新しいアルバムでもやってる、「LOVE ME TENDER」を…（拍手）　この曲
　　　を知ったのは、小学校２〜３年の頃だったかな。家の２階に学生が下宿して
　　　たんですが、その中に、ロカビリーギターを弾いてる人がいて、良く遊びに
　　　行って、手解きを受けたんです。…といっても、小学生なので、最後までは
　　　弾けなくて、イントロをチョロっとやっただけなんですが…（ギターのチュー
　　　ニングを待って）…では！

☆１８．ＬＯＶＥ　ＭＥ　ＴＥＮＤＥＲ　（”THAT'S ALL RIGHT”）

　アルペジオギターから始まると、お店常設のミラーボールにもライトが灯って、
　佐藤氏が、あまりにも有名なあの曲を歌い始めます。ドラムはブラシで刻んで、
　ビートはコーラスで付けるというアレンジが、すーっと佐藤ボーカルに馴染んで、
　かなり気持ちいいです(^^)。有名な曲ですけど、バッチリ佐藤博カラーの「LOVE 
　ME TENDER」になっていました。

　重住さん以外のSMOOTH ACEメンバーを送りだし、今度は生ピアノの方に移る佐藤
　氏。woo...と声を出しながら始めたのは…

☆１９．用意はいいかな　（”SUPER MARKET”, ”TIME”再発盤にも収録）

　これはまた古い曲(^^;で、「となーりーのーネーチャンは！…」なんて下世話な
　（笑）雰囲気に、いきなりなってしまいます^^;;。でも、ノリはカッコイイ(^^)。
　中盤では、鳥山ギターソロが、コシのある太い音色でリズミカルに唄い、佐藤氏
　もピアノソロでガンガンと攻めてきますが、スッ！とテーマへ戻っていきます。
　重住さんも渡嘉敷氏も鳥山氏も、フリを決めたり合わせたりして、演奏には古さ
　を微塵も感じさせません(^^)。ピアノで最後をまとめてエンディングへ。

佐藤＞どうもありがと〜っ！　次はたぶん、秋くらい？そんときまた、よろしくー！
　　　（拍手）

　22:18、また鳥山氏が重住さんや佐藤氏を送りだし(^^;、ステージから人がいなく
　なると、拍手がそのまま止みそうに…でも、客電やブラインドが元に戻らず(^^;。
　少し間を置いてアンコールが再び始まります。今度は割とすぐに(^^;、メンバー、
　SMOOTH ACE全員、そして中島氏もステージに戻ってきます。

佐藤＞えー、実は、ここだけの話、もう１曲用意してたんです(^^;。（笑・拍手）
　　　中島くんもご一緒に…

☆２０．ＲＡＩＮ　（1993”HAPPY & LUCKY”）

　鳥山氏のカッティング、A-90での”佐藤博ピアノ”でビートを刻み、最近のライヴ
　で何度か披露しているミディアムビートナンバーになります。少しシャウト気味に
　歌う佐藤氏。かなりカッコヨクなっている上に、今回はコーラスに４人もいる(^^)。
　スムースの４人もスイングしながら、そして、何度も歌ってきた重住さんが、さぁ
　いくよ！って表情で、「FALLIN' DOWN THE RAIN!」とサビを迎えます。２コーラス
　目に移ると、鳥山ギターが叫ぶ叫ぶ、鳥山氏が刻みに回ると、今度は中島ギターも
　吠えまくります。サビをリフレインさせながらのギターソロバトル、盛り上ってい
　きます(^^)。佐藤ピアノも段々テンションが上がってきて、勢いが止まりません。
　「DOWN THE RAIN×３、DOWN！」とサビを変形させたエンディングを決めて…、
　もう１回、リフレイン＆ギター二人がうなり始め…いや、どのパートもテンション
　の高い音でグルーヴさせます。もうひと唸りしてエンディングをバシッと決めると、
　大きな拍手の中を、晴れやかな表情で出演者全員がステージ中央に並び、一礼をし
　ました。22:28、休憩を引いてもたっぷり３時間を越えたこの日のステージは、幕と
　なりました。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
　＜SET LIST＞　2003.06.21　＠東京・STB139
    1.GEMINI  2.**  3.BLUE AND MOODY MUSIC  4.山手ホテル  5.おかえり
    6.RAINBOW SEALINE  7.DON'T BE CRUEL  8.BAD JUNKY BLUES
    9.トムソーヤの午後  10.MY HOME TOWN  11.LOVING YOU  12.REMAINS
    13.逢いたいね  14.FANTASY  15.AIN'T NOBODY'S BUSINESS
    16.BABY WHAT YOU WANT ME TO DO  17.THAT'S ALL RIGHT, MAMA
    [ENCORE]18.LOVE ME TENDER  19.用意はいいかな  20.RAIN

　夜行バス乗り場で慌てないためのギリギリの時間だったので、余韻を楽しんだのは
会計を待ってる間(^^;という慌しさで、帰路に着いたのですが、非常にリラックスし
たムードで、大人が奏でる”カッコイイ”アンサンブルを聴かせていただきました。
特に、ゲストのSMOOTH ACEとのカラミが期待通りのカッコ良さで、「FANTASY」のコー
ラスは「ああっ、アルバム通りの厚い音！」と感激して、一緒に唄ってしまってたよ
うな気がします(^^;（隣近所にいらしたお客様、申し訳ない^^;;）。　アンコールが
あっさり途切れちゃったのはちょっとご愛嬌(^^;ですが、そうだよな、かなりノリノ
リな(^^;アレンジになってた「RAIN」をやってなかったよな(^^;と。気持ち良くお店
を出られたのでした。

　なかなか東京以外で見られる機会がないので、毎回遠征せざるを得ないのですが、
そうですねぇ…どっぷりJAZZではなくても、そういうテイストがある人なら企画をし
ている大阪ブルーノートなんかでやってくれたら、少々高い^^;;けど行くでしょうね、
私なら(^^;。佐藤氏自身、音楽を始めた頃は京都の方でしたしね…。

　ということで、あなたにとってこのステージはどんな時間だったでしょうか？
　それでは、また次回のこの番組でお目にかかります。

文字正人(QFG03621@nifty.com) with PCG-C1XF from KYOTO
1ST ON LINE: 2003/07/12 (web site original)