こんばんは、「実況中継ライヴ・オン2005」文字正人です。

　６月攻勢（笑）、今度は世界的にも珍しい、ドラマー二人だけのユニットの、こ
れまた珍しい全国ツアーが行われたので、神戸まで行ってまいりました。果たして、
「どんな世界を作り上げたのか」、これをキーワードとして読み解いてみて下さい。
それでは、三宮・生田神社前からライヴ・オン！
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　梅雨入りする前の、朝から結構熱かった近畿地方でありますが、電車を降りると
　多少涼しい風もあったかな？　開場時間から15分遅れて生田神社までやってくる
　と、開場前に並んでいたお客さんはほとんど入場していて、そこそこ遅い番号だっ
　た私もすぐに入れました。８人掛け丸テーブルが20以上出ていて、ほぼ満員状態。
　端の方に多少空きがあったので、こういう時にお一人様は楽ですね〜（爆）。

　ステージを見やると、向かって左側に神保セット＋ドラムトリガーが見えます。
　となれば、右側が則竹セットとなります。BGMは…激しい演奏を最初から中和する
　のか、enyaがずっと流れてます(^^;。
　そのまま、19:31'40に客電が落とされ、enyaは流れたまま(^^;、二人のドラマー
　がステージに現れます。しばらくしてからBGMがフェードアウトされて…

　＜Ｓｙｎｃｈｒｏｎｉｚｅｄ　ＤＮＡ＞
　2006.06.10　＠兵庫・神戸CHICKEN GEORGE
　神保彰(Dr, Trigger)　則竹裕之(Dr)

☆１．ＳＹＮＥＲＧＹ　（神保彰）

　まずは、アップテンポの明るい曲から…と、普通は書けばすむんですが、なにせ
　普通じゃないユニット（笑）なので説明すると、神保氏の太鼓に取り付けたセン
　サーと、エレドラ用のパッド、これらが、叩くごとにMIDI信号…シンセの鍵盤を
　弾いたら「ド」とか「高いシ」とかを表すのに出てくるんですが、それと同じも
　のが出てきますので、シンセ音源等をつないでおけば、ドラムと一緒にシンセブ
　ラスやストリングス、ベースラインや効果音が出てくる、といった仕掛けがして
　あります。ドラムを叩く順番や回数を決めておいて、それに合わせて色んな音色
　や音階がなるようにプログラムを作っておくと、ドラムを叩くだけでメロディー
　も伴奏も鳴ってしまう…これが、ドラムトリガーシステムと言う仕掛けです。

　…本題へ戻ると、神保氏がトリガーを使ってそういう感じのメロディーとドラム
　パートを一緒に叩くと、このユニットでは則竹氏も同じフレーズをバッチリ合わ
　せて刻んできます。則竹氏の方にはトリガーはないので、ドラムの音だけですが、
　これがまぁ、複雑なフィルとか入りまくりの曲なのに、ビタッ！と合ってたり、
　少しづつずらしてプレイしたりと、神保氏一人だけの時より厚みを増したアンサ
　ンブル…と言っていいですね、二人しか居ないのに二人分以上の音が出てるんで
　すもん（笑）。中盤では、神保氏がトリガーでコードを出しながら、６拍子にし
　て則竹氏のドラムソロへ。このフレーズも、先程まで展開していたメロディーの
　延長線上のような、歌心のあるフレーズだったりします。「ドラムだけで音楽が
　作れるのか」という（会場で発売していたツアーパンフにも出ていた）問いかけ
　に、見事に答えて見せる１曲目でありました。

☆２．ＭＡＲＵＧＡＭＡＴＩＯＮ　（神保彰）

　今度は、ごぉ〜んと低いシンセパッドをトリガーで鳴らしながら二人でシンバル
　のフレーズを絡めて行き、怪しげなシンセリードから、ヒップホップ系のリズム
　ループ…をベードラのトリガーでしょう…で刻みながら（１打で１小節分という
　感じでプログラムされてると思います、以前何かの機会で分析を聞いた時には）、
　２人のフレーズを組み合わせてヘビーなビートを刻みます。則竹氏がフィルを増
　やしていきながら、中盤のソロへ。元のビートを決してはずさない、小気味いい
　フレーズが続きます。それを受け継ぐ格好で、神保氏も不思議なコードをパッド
　で鳴らしながらのドラムソロへ。そのまま２人で交互に短い周期で回していきま
　すが、この二人、フィルまで合ってしまうんです(^^;。

☆３．ＳＹＮＣＨＲＯ　ＭＡＭＢＯ　（神保彰）

　華やかなキメと、その名の通りマンボのビートに乗せて始まります。キャッチー
　なメロディーと、半音づつ転調させていく進行は、日本のフュージョンですねぇ。
　神保氏は、２−３クラーベを刻みながらソロへ突入。ソロも曲の続きのような気
　さえする、フレーズの攻勢であります。神保氏がトリガーでモントゥーノを刻み
　だすと…ピアノは弾いてませんよ、あくまでもトリガーで(^^;、今度は則竹氏が、
　ティンバレスを交えてスピード感満点のソロを披露。２人で時々目を見合わせた
　り、同じように首を振ってたり、ホントに何て言うんでしょう…相思相愛（笑）
　というか(^^;。で、また転調を繰り返すＢメロへ戻り、最後は数多くのトリガー
　を駆使して、賑やかにエンディングへ。

☆４．ノルウェーの池・デンマークの森　（則竹裕之）

　則竹氏が、タムの側を刻んで、細かいフィルを二人で合わせてきます。今度は、
　トリガーシンセなし、ドラムの生音だけで世界を築いていきます。合わせたり、
　分担したり、時折ずらしたりと、巧みに刻みながら、序盤は短めのソロとブレイ
　クを繰り返していきます。雨だれのようにシンバルフレーズを聴かせると、少し
　づつテンポをずらして…居合い抜き？と思わせるような雰囲気に。かと思えば、
　タムのフレーズで輪奏を仕掛けて、だんだんフレーズの組み合わせを聞かせてい
　ったり、少しづつずらして別々にソロを始めるのに、いつの間にかぴたっと合っ
　てたり！手の動きまでピッタリ揃ってる時もありましたっけ。目まぐるしく構成
　も変わり、人力ブレイクビーツまで飛び出し、最後には２人でキメをビタッと合
　わせての、ホントに息をつかせない１曲でありました。

☆５．ＩＭＡＧＩＮＥ　［JOHN LENNON］

　そうです、トリガーシンセでシロホン系の音色を使って出てきたメロディーは、
　お馴染みのあの曲です。コードとか拍のアクセントが、微妙に原曲とはいじって
　ありますが、あの曲です。ドラム２人で、リズムを刻むだけでなく、一緒に歌う
　ように聴こえてくるから、不思議です。和やか〜な雰囲気で進んできましたが、
　最後にはキメ付きドラムソロを猛烈にバシバシと決めて、二人でユニゾンして、
　エンディングへ。

　丁度20:00になったところでようやく一区切り。神保・則竹の両氏が、マイクを
　持ってスツールから立ちます…でないとお顔が見えないんだ、この二人のセット
　の多さからは(^^;。

神保＞こんばんは。Synchronized DNAです。（拍手）
　　　初めての全国ツアー、３日目です。ようこそお越しくださいました。
則竹＞ありがとうございます。
神保＞さっそくですが、すばらしいメンバーをご紹介しましょう。神戸が生んだ、
　　　すばらしいドラマー、則竹裕之！（拍手）
則竹＞（一礼して）ありがとうございます。すばらしいドラマー、そしてリーダー、
　　　神保彰！（拍手）
神保＞…もう、メンバー紹介終わってしまいました（笑）。
　　　でも、二人だとどこでも行けますしね。
則竹＞身軽でいいですね。
神保＞このユニットは、2004年に始まりまして、2005年にはデビューDVDを発売し
　　　ました。教則ビデオという名の下に、発売されておりますが、真っ赤なうそ
　　　でして（笑）。
　　　まず、ノリンボ君とジンボンボ君というキャラクターが出てくるアニメから
　　　始まりまして…
則竹＞あれ、誰が考えたんでしょうねぇ？
神保＞キャラクターデザインは、アキラ・ヂンボという謎の人物でして、天才的な
　　　才能をお持ちですが、未だに誰だかわかりません。ちなみに、僕ではありま
　　　せん（笑）。
　　　ジンボンボはどちらかというとお兄さん役で、ノリンボ君がいろんなことを
　　　やらかすと言う役柄ですね。
則竹＞現実にかなり近いですね(^^;。
神保＞そんなことないでしょう、則竹君は、普段から礼儀正しい好青年です(^^)。
　　　これが大好評で、品切れ続出だそうです。でも、今日はここに、サイン入り
　　　で沢山持ってきたので（笑）、ぜひお買い求め下さい。
　　　様々な分野で、ドラム二人っていうのは、世界的にも珍しいんじゃないかと…
則竹＞ユニークですよね。
神保＞今日のドラムの色も、ユニークですね。何て言うんですか？
則竹＞アップル・スパークル・フュードって言います。…既製品です(^^;（笑）。
神保＞僕のは、ホワイト・スパークルっていう既製品ですが、スパークルが既製品
　　　の５倍入ってます（笑）。
則竹＞これは、普通のままです(^^;。
神保＞でも、十分キラキラしてると思いますよ。二つ並ぶと、紅白のドラムで、
　　　非常に縁起もよく（笑）。
　　　…ということで、最後までごゆっくり、お楽しみ下さい。（拍手）
　　　５曲続けてお送りしましたが、１曲目は、私の新曲で「シナジー」、２曲目
　　　が「マルガメイション」、３曲目は「シンクロ・マンボ」…
則竹＞すばらしいセンスですねぇ。（笑）
神保＞４曲目が、則竹君作曲の超絶バトル「ノルウェーの池・デンマークの森」
　　　（笑）、５曲目がJOHN LENNONの「イマジン」でした。
則竹＞すばらしいアレンジでしたよね。僕、原曲よりも好きです(^^)。
神保＞則竹君、だいぶ口がうまくなってきましたねぇ（笑）。若手若手と言われて
　　　20数年（笑）、でも、外見も中身も、10代の頃と変わらないですねぇ。
則竹＞…また美味しいものでも食べに行きましょう^^;;（笑）。
神保＞どうも最近、MCが長くなる傾向にありまして、20分位長くなってきましたの
　　　で(^^;。今日は立ち見も大勢いらしてますので、MC短め、演奏長めで行きた
　　　いと思います。
　　　次もまた、難易度の高い曲です。JACO PASTORIUSの残した名曲で、最も有名
　　　な曲ですね。「TEEN TOWN」

☆６．ＴＥＥＮ　ＴＯＷＮ　［JACO PASTORIUS］

　今度は、WEATHER REPORTの名曲が、トリガーによる華やかなシンセブラスとベー
　スラインで始まります。早いパッセージがバシバシ決まったり、キメを入れなが
　らも、スキあらば(^^;バシバシ叩きまくる二人。息をつかせぬ勢い、しかも二人
　共全然乱れないという、普段の技量では当たり前のことなんですが、こういう形
　で改めて聴くと、その上手さに驚きます。どちらからともなく、スリリングな雰
　囲気を増していくように走り出し（リズムが走るという意味ではなく、疾走感が
　増していく様子を、私の番組ではよく「走り出す」と言っております）、最後に
　またユニゾって決めていきました。

☆７．ＲＵＭＢＡ　ＤＮＡ　（神保彰）

　題名の通りの明るいビートを則竹氏が刻み、16分裏で入ってくるトリガーによる
　ブラス＋ベルでメロディーとオカズを、神保氏が聴かせるのが前半戦。ユニゾン
　するキメが軽快に決まります。…これ、普通の編成のバンドで聴いても、かなり
　カッコいい曲だと思います。神保氏がトリガーでコードをつけながら、則竹氏が
　ビシバシと決めていき、テーマへ戻った後、今度はキメキメのドラムソロを二人
　が聴かせます。ストライクゾーンかなりど真ん中の曲でした。

☆８．ＭＩＮＤ　ＲＥＶＯ　（神保彰）

　トリガーなしでの16ビート神保ソロがビシバシ決まったところで、ブラスパッド
　がトリガーで入って、キメキメナンバーへ。キメるメロディーとフルート系シン
　セリードの組み合わせで、緩急をつけたところで、キメ入りドラムソロ…これ、
　普通にやっててもかなり難しそう^^;;。５拍子で猛烈に叩くソロまで決めたりし
　て、それでいて、何度も目を見ながら合わせていってしまう…この曲で「キメ」
　って表現、何回使ったんでしょうか(^^;。

　二人で一礼して、またマイクを持って立ちます。

神保＞どうもありがとうございます。「TEEN TOWN」に続いて、オリジナルを２曲、
　　　「ルンバＤＮＡ」そして「マインド・リボ」をお送りしました。
　　　オリジナル曲もずいぶん増えてきまして…
則竹＞ひとえに、神保さんのお陰です。
神保＞とんでもない、未だかつてやったことのないくらい難しい曲を、書いてきて
　　　くれくれました。
則竹＞でも、完成は神保さんの方が早くて…
神保＞譜面がまた、ひっじょうにきれいで、まるで絵のようで…
則竹＞そりゃぁ、神保さんにお出しする譜面ですから、きれいに書きますよ！
神保＞いや〜、額に入れて飾っちゃおうかと思いました。演奏もしなくてもいいか
　　　なと（笑）。ホント、譜面に白いところがなくて(^^;。あとで話を聞くと、
　　　書いてるうちに画家の気分になってしまったと言う(^^;…
則竹＞全く、後で演奏することを忘れてしまいました(^^;（笑）。
神保＞ちょっと皆様にもお見せしたいくらいですが…。
　　　今日はMCは、則竹君に指導していただきながら…（笑）
則竹＞…実は今日が３日目で、初日は東京・六本木のSTB139だったんですが、口が
　　　乾いて、更にDVDの録りがあって、唇の上に歯が乗ったまま戻らなくなって
　　　しまって(^^;。
神保＞ウサギちゃんみたいになっちゃうんですよね(^^;。そのウサギちゃんが見ら
　　　れる（笑）DVDが、発売されます！（拍手）
則竹＞…修正したいくらいですが(^^;。
神保＞出来ません（笑）。初日の緊張の中の、灼熱の演奏をお楽しみいただけます。
　　　８月末にはBS FUJIで放送があって、９月末に全曲収録のDVDが発売されます！
　　　（拍手）　注目は、則竹君の上唇です（笑）。
則竹＞そこは抜かれないように（カメラに映ったところが編集で残らないように・
　　　の意：筆者注）、MAに張り付きます(^^;。（マルチオーディオの略・TVの世
　　　界では音声トラックの最終ミックス作業…ですが編集作業自体も指してるの
　　　かな？一応そっちの専門用語には詳しい（爆）筆者注）
　　　そこでCMとか入っちゃったり(^^;…スミマセン^^;;。
神保＞どうぞどうぞ。則竹君の声を聴きたいという声は多いので…（拍手）
則竹＞私は、あの〜〜…、幼少の頃から（隣の方の）ファンで、同じステージに立
　　　てるというだけで、もう夢のようで…胸がいっぱいなんです(^^;。立ってる
　　　だけで精一杯です^^;;。
神保＞よく言いますよ(^^;。それで、あんな難しい曲書いてくるんですか(^^;？
則竹＞神保さんこそ、メロディー・コード・リズムもこなしてらっしゃるじゃない
　　　ですか(^^;。今度は歌もぜひ(^^)。
神保＞歌は下手ですが(^^;。今度はＸＸモードで、Synchronized DNAでボーカルデ
　　　ビューとか(^^;。次のライヴで、聴けるかもしれません（拍手）。
則竹＞そのときは、神保さんとデュエットさせてもらいますので(^^)。
神保＞喜んで。
則竹＞ドラム置いて、前で二人で歌いましょうか。
神保＞それはちょっと避けたい(^^;。でも、新たな方向性かもしれませんね。目が
　　　離せません！（笑・拍手）
　　　…その譜面をいただいて、練習しました。１ヵ月後にリハだったんですが、
　　　いくらやっても出来なくて(^^;。リハの２〜３日前に、則竹君からケータイ
　　　にメールが着まして、「申し訳ないです、出来ないです(^^;。」（爆笑）
　　　30秒後に返信しました。「僕も出来ないんです(^^;」（爆笑）
則竹＞何度も何度も電話しようとしたんですが…
神保＞泣きのメールを出すのも、勇気いったんです(^^;。もう大歓迎です（笑）。
　　　更に練習して、止まりながらも出来るようになったところで、リハの前日に
　　　則竹君が電話で、「僕、まだ出来ないんです(^^;。」
　　　あれ、僕倒れたんです（爆笑）。忙しかったんですよね〜、LIVE imageとか…
則竹＞LIVE imageの最中も、頭の中をずっとあの曲が…
神保＞あんまり緊張するといけないので、ここでなごみネタを(^^;。その１。

　と、パッドを神保氏がたたくと、サンプリングした声で「ノリタケです」（笑）

則竹＞これ、僕の地声です^^;;。あんまり好きじゃない^^;;。
神保＞そうですか？素敵な声だと思いますよ。この辺が特に…

　と、別のパッドをたたくと、少し低めに声変わり(^^;…じゃないか。

則竹＞なんか、いじわるそうな則竹君ですねぇ(^^;。
神保＞ノリンボのキャラかもしれません。小さな則竹君も…

　と、今度は高めに変わった声で少し連発します（笑）。

則竹＞舌っ足らずな感じですね(^^;。
神保＞一人で練習してる時に、これを聞くと、なごむんです(^^)。
　　　今度は、大浴場の則竹君。

　と、思いっきりリバーブをかけて「ノリタケです」（笑）。

則竹＞そういえば、有馬温泉がすぐこの裏手にあるんで…
神保＞行きましょうか(^^)　あと、カラオケの則竹君です。

　と、今度はエコーたっぷりに（笑）。

則竹＞しつこいですね(^^;。
神保＞何のユニットがわからない(^^;。
　　　その後、１曲お送りしてもう１曲、お送りしたいと思います。タイトルは、
則竹＞DNA エキス…（ちょっと噛んでしまう(^^;）DNAエキスプレス、です(^^;。
神保＞間が悪いですね(^^;。では始めましょう。…ホントに難しい曲で、頭の中が
　　　グチャグチャです。演奏したことありますが、鉄道のイメージですね。
　　　そう、則竹君といえば、知る人ぞ知る鉄道マニアで、この曲にも素晴らしい
　　　タイトルをつけてくれました。構想10年、制作３ヶ月、堂々世に問う問題作、
　　　「DNA EXPRESS」をお送りいたします。

☆９．ＤＮＡ　ＥＸＰＲＥＳＳ　（則竹裕之）

　細かいハイハットの刻みから入って、いきなりビシバシと細かくドラムユニゾン
　を披露します。この曲はトリガーなしです。則竹氏の小さなタムをアクセントに
　して、フィルまでユニゾって聴かせます。題名から、特急列車をイメージして聴
　き始めたんですが、高速で飛ばすという感じでは、あまりなかった感じもします。
　でも、軽快に走っていってる感じはあって、これはどこを走ってるんだろう…と
　想像をめぐらせます。…と、転げ落ちるようなフィルをはさんで、曲は後半戦。
　フレーズが荒々しくなり…SLで煙を上げる時代の”EXPRESS”？って感じに。また
　元のビートに戻ると、ユニゾンによって、更にビートが分厚くなっていきます。
　息をもつかせぬ展開はさすがの、４分半ほどの旅でした。

☆１０．ＲＯＣＫＩＮ’　ＵＰ　（神保彰）

　今度は、ミディアムスロー気味のテンポで、トリガーでのメロディーが乗っかり
　ます。…いや、猫の声？みたいなSEもビートに乗せて、不思議な雰囲気の曲です。
　トリガーで刻むピアノ音色＋猫SE(^^;と一緒に、ドラムパートの方は、二人とも
　タイトに聴かせます。…あ、ピアノ一発抜けたかな(^^;…あるいはそんなように
　プログラムしたのか(^^;。と、さっきMCで披露された「ノリタケデス」ってサン
　プリングが連打され、それに合わせて則竹氏がカクカクと動きます（笑）。…そ
　の後の部分、印象がなくなってしまいました(^^;。

☆１１．ＡＧＥ　ＯＦ　ＣＯＭＭＵＮＩＣＡＴＩＯＮ　（神保彰）

　今度は、テクノな雰囲気のヴォコーダー風ヴォイスをループパターンにして、
　シンセベースもトリガーで刻んできます、そういう曲調です。…というか、神保
　氏のトリガーシンセのプログラミングは、ある時期からそう行く雰囲気が出易い
　音色になってましたが…、賑やかにメロディーも入れながら、狙いすませたよう
　に、神保氏のドラムソロが炸裂し、かと思うと、シンセパッドでゆったりとした
　雰囲気も作ったりして、緩急をつけます。後半は、テーマと同じ進行で、則竹氏
　が猛烈にソロを叩きだし、神保氏も負けじと、でも曲の延長線上のように、ビシ
　バシと刻んでいきました。ホントによく、コミュニケーションの取れた演奏です。

☆１２．ＬＯＶＥ　ＲＡＤＤＥＲ　（神保彰）

　少し硬い感じのビートから、みょんみょんとトリガーシンセが鳴り出し、少〜し
　ゆっくりなビートで始まります。ビシバシ叩いてキメは賑やかなのに、ちょっと
　一息つける感じもします。ストリングスで滑らかにしたり、同音連打でハードな
　ところも出したりしながら、少し和ませていただいた時間でした。

神保＞どうもありがとうございます。則竹君の「DNA EXPRESS」はいかがでしたで
　　　しょうか？（拍手）　すごかったですねぇ。どういうイメージで作ったの？
則竹＞あれはですね…、二本のレールの上を、僕と神保さんが並走して、途中で、
　　　ポイントで入れ替わったりする感じですね。
神保＞神保レールと、則竹レール、途中で向谷レールか出てくると、違う方へ行っ
　　　たりして危険ですが（笑）。向谷さんと言えば、７月のCASIOPEAのツアー、
　　　5 STARS TOURに、Synchronized DNAで参加が決定しております（拍手）。
則竹＞もう、大変ですが、光栄です。
神保＞則竹君、ホントにばっちりなんです。
　　　自分にすごく厳しくて、「調子悪くって」と言いながら、すごい演奏するん
　　　ですから（笑）。僕は、自分の中の基準が年々下がってきてます(^^;。
　　　さっきの「DNA EXPRESS」の場合は「止まらなければOK」という(^^;。
則竹＞…今日はうまくいきました！（笑・拍手）
　　　ああおっしゃいますが、神保さんはもう、PERFECTです。
神保＞結構口がうまくなってきましたねぇ（笑）。若手若手と言われて23年（笑）。
則竹＞（DNA EXPRESSが）終わってよかったです(^^;（笑）。
神保＞すごかったですね。点数で言うと、9.87位は出せたかなと（拍手）。
　　　すごい曲でした。つついて、新曲を続けて「ROCKIN' UP」「AGE OF COMMUNI-
　　　CATION」「LOVE RADDER」をお送りいたしました。
　　　怪しい動きを一部でしてましたが、良かったですよね(^^;。あれは、拍手が
　　　出るまでやらないと(^^;。面白いですね。則竹君のドラムの色もいいですね。
則竹＞色くらいは派手にしとこうと(^^;。
神保＞MC長めになってきたので、また曲へ行きます。
　　　今度は、クラシックに題材をとりました。ムソルグスキーの「展覧会の絵」。

☆１３．展覧会の絵　［MUSOLGSKI］

　クラシック…でも有名ですが、EMERSON, LAKE & PARMERのレパートリーとしても
　有名ですね、そのテーマが、この二人にかかると、裏拍だらけの16ビート(^^;に
　なってしまいます。シャッフルブギービートが入ったり、二人で交互にキメドラ
　ムソロを入れたりと、テーマ以外は原形をとどめてない(^^;かもしれませんが、
　それもまたよし（爆）。

☆１４．ＴＨＥ　ＣＨＡＳＥＲ　（神保彰）

　更に、ほとばしるようなユニゾンを聴かせて始まります、16ビート曲になります。
　二人で少しづつ変形させて幅を持たせながらも、気が付いたら二人のフレーズを
　ピタッ！と合わせたり(^^;。ドラムソロになると、交互にテクニカルなフレーズ
　の応酬をしたかと思うと、全然違うフレーズを叩きながら、ちゃんとつながって
　るように聴こえてしまう、息の合い方であります。一昨年の”CASIOPEA VS THE 
　SQUARE”の時のソロタイムでやったような、二人でのユニゾンキメフレーズも決
　まると、いったん静かになり、則竹氏のソロへ。しなやかに繰り出し、ダイナミ
　クスも大きく展開していきます。続いて神保氏にバトンが渡ると、華々しく展開
　します。シンバルがバシッと決まり、3-2クラーベを速いテンポで刻みながら、
　ヤンチャ坊主のような雰囲気にも。ブロックでビートを刻んで元曲へ戻ると、
　スピード感満点のフィルのリレーが始まります。則竹氏が張り切ると、神保氏も
　負けじと繰り出し、お互いの方を向きながら、だんだん二人一緒に走り出すよう
　にビートを繰り出します。張り詰めた雰囲気から、どちらかが飛び出そうとする
　と、すかさず付いていく二人。顔を見合わせながら早いパッセージを繰り出し、
　少しづつテンポが上がっていき、それでいて一糸乱れない演奏。ここまでの曲は
　殆どが５分以内にまとめられてましたが、この曲は１４分に渡るパフォーマンス
　となりました。

☆１５．ＣＬＯＵＤ　ＢＲＥＡＫ　（神保彰）

　トリガーで3-3-2拍のラテンベースラインを刻んで始まり、シンセパッドが出て
　くると明るい曲が始まります。パッドに乗せて、則竹ドラムがドライヴしていき、
　神保氏がキメを入れてスパークさせ、またメロディアスなテーマに戻ります。
　ベースラインの上で、二人が交互にフレーズを仕掛け合い、先ほどとは対照的に
　３分半ほどにまとめた１曲でありました。

神保＞どうもありがとうございます。（拍手）　続いては、昔からやってる曲で、
　　　「THE CHASER」、そして初期の頃の曲「CLOUD BREAK」を、続けてお送りし
　　　ました。ドラム二人だけですが、結構盛り上がりますね、ステージ上は。
　　　皆さんも盛り上がってますか？（拍手）
　　　チキンジョージのお客様は、暖かいですねぇ。さすが、則竹君を生んだ町、
　　　神戸ですね。
則竹＞生ませていただきました…（爆笑）、生んでいただきました(^^;！
神保＞（サンプリングで）ノリタケです（笑）。
　　　Synchronized DNAは、いろんな展開が出来そうですね。お笑いにも行けるし、
　　　よりハードにも行けるし…
則竹＞ホント幸せです。
神保＞幸せを分かち合うライヴ、楽しくお送りしてきたのではないかと思いますが、
　　　次が最後になってしまいました。
　　　（客席から、ぇぇええ〜！）
　　　うれしいですね。イヤー！なんて言われたらどうしようかと思いました(^^;。
　　　則竹君、色がいいですね。アップル・スパークル・フュード、僕のは、ホワ
　　　イト・スパークル、５倍増しです（笑）。
則竹＞僕は、この色を使う勇気がなかったので(^^;。
神保＞またまた盛り上がる、ハイスピードな曲です。Synchronized DNAってこうい
　　　うイメージかなと、想像を膨らませて聴いて下さい。「DOUBLE HELIX」。

☆１６．ＤＯＵＢＬＥ　ＨＥＬＩＸ　（神保彰）

　トリガーで刻むハードなベースラインに、様々なSEを絡めて、嵐のようなドラム
　から、エレキベースというよりはシンセベースの音色で刻む８ビートでスタート
　します。トリガーで刻むメロディーは明るいものですが、二人で交互に盛り上げ
　るビートはハードです。白玉シンセブラスパッドがバーンと一発入ると、神保氏
　が猛烈に暴れだし、合図を入れるとフィルまで二人でユニゾンを決め、更に荒々
　しく叩きます。その後も続く、テーマ＋ドラムソロ、息つくヒマないスピード感
　で、最後まで突っ走っていった、４分ほどの演奏でありました。

　21:21、お互いをもう一度紹介して、二人はいったんステージを後にします。
　その２分後、アンコールに応えて、二人が…Ｔシャツを着替えて出てきました。

神保＞どうもありがとうございます。衣装直しに手間取りまして(^^;。今回のツアー
　　　Ｔシャツです！　このツアーでしか買えません。（シャツのデザインを見て）
　　　則竹君知らない間にいい体になりましたねぇ（マッチョな則竹氏のイラスト
　　　を裏返すと）…なーんだ、着ぐるみ来てたのか(^^;、というオチまでついて
　　　おります(^^;。最先端を行く、天才画伯・アキラヂンボ作のＴシャツです。
則竹＞手に何かお持ちですか？
神保＞何でしょうねぇ（笑）。ツアー初お披露目の、オフィシャルロゴ（のついた
　　　不繊布バッグです：筆者注）です。中には何が…
則竹＞メニュー…じゃなくて、パンフレットです^^;;。
神保＞メニュー！（爆笑）
則竹＞パンフレットです(^^;。すごくカッコいいですよ。（中をちょっと見て）
　　　わぁ（はぁと）！（爆笑）
神保＞上手いですね(^^;。
則竹＞なんか、僕じゃないみたいで^^;;。
神保＞だんだん上手くなってきました。すごいんです、ちゃんと写真スタジオを借
　　　りて、黒いマネキンを抱えて持ち上げたりして、その後に、原宿ロケも敢行
　　　して、デニーズに入って色々注文して食べましたっけ。
則竹＞おいしかったですねぇ〜(^^)。そう言えば、僕、ケータイを本番中に持って
　　　るんですが、誰かから電話があるといけないんで（と操作する（笑））…
神保＞余裕ですねぇ。僕は、演奏中にプルプルと鳴ってしまったら、スティックを
　　　落としちゃいそうですが、則竹君は、話しながら叩いてしまうんですねぇ。
　　　すごい、ベテランの域へ達してますね。
則竹＞そここんなものが…液晶クリーナーなんです。あ、ケータイクリーナーです。
神保＞ロゴのところにばねが付いてるんですよ！（TVショッピング風（笑））
　　　バネ仕掛けと言えばですね、彼は左腕にバネが入ってまして（笑）、この謎
　　　はDVDをお買い求めいただいて解明して下さい。普通、（MCでは）右手でマイ
　　　クを持つんですが、左手で持ってて、マイクがちゃんと上がってくるんです。
則竹＞いつも入ってるわけではなくて(^^;。神保さんとご一緒の時は入れてます。
神保＞楽屋で入れてくれてるわけですね(^^;。バネ仕掛けの則竹裕之の左手、びよ
　　　よ〜ん！（笑）…サインも入って、DVDが発売中で。
則竹＞買って下さい(^^;。（笑・拍手）
神保＞あとは言い残したことはありますか？
則竹＞…幸せです。（笑）
神保＞楽しく演奏させていただきました。アンコールにお答えして、二人の演奏を
　　　お送りします。…今度は、則竹裕之、構想３年、制作１ヶ月くらいですか？
　　　素晴らしい曲名を、則竹さんのほうから。
則竹＞発表します、「新橋の嵐」です（笑）。

☆１７．新橋の嵐　（則竹裕之）

　ミディアムテンポ…より、やや速めのテンポで、いきなり嵐のようにドスドスと
　ドラムのユニゾンを決めて始まりましたは、トリガーなしの生ドラムデュオ曲。
　ユニゾンを決めた後は、まずは神保氏のソロ。その後、別の人間が叩いてるとは
　思えないくらい、自然につながるように、則竹氏のソロへ移っていきます。32分
　音符６連打(^^;を連発し、またまた嵐のようなソロが、代わる代わる、速射砲の
　ようなフレーズを連発して、実に目まぐるしく繰り出されます。ユニゾンして、
　交互に暴れて、またユニゾンと、新橋…の理由はわかりませんが(^^;、「嵐」に
　ついてはまさにその通りの、荒々しい曲でありました。

　二人が前に出て一礼し、再びステージを後にしますが、アンコールを求める手拍
　子が続き、再びステージへ戻ってきます。早速イヤーモニターをつけて、スツー
　ルに座ります。

☆１８．　（神保彰）

　トリガーを使っていたので、紹介はありませんでしたが神保氏の曲だと思います。
　金属的な音色のトリガーシンセから、細かく刻む３連ビートに乗せて、ゆったり
　牧歌的なメロディーを聴かせ…と思ったら、一転して乗せていくようなビート、
　そしてまた、パッド一発から少しづつ交互にドラムソロを乗せていきます。お互
　いに、狙いすますような感じでビートに乗せていくフレーズは、手数が多いのに、
　ずっと聴き易い感じがします。シンセパッドのバッキングが消えて、メロディー
　とドラムだけになり、パーーンと盛大にエンディングを迎えます。

　「SYNCHRONIZED DNAでした、どうもありがとうございました！」と、二人が締め
　て、21:43、再びステージ前方へ二人が出てきて、神戸でのステージは幕となり
　ました。
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　＜SET LIST＞　2006.06.10　＠兵庫・神戸CHICKEN GEORGE
    1.SYNERGY  2.MARUGAMATION  3.SYNCHRO MAMBO
    4.ノルウェーの池・デンマークの森  5.IMAGINE  6.TEEN TOWN
    7.RUMBA DNA  8.MIND REVO  9.DNA EXPRESS  10.ROCKIN' UP
    11.AGE OF COMMUNICATION  12.LOVE RADDER  13.展覧会の絵
    14.THE CHASER  15.CLOUD BREAK  16.DOUBLE HELIX
    [ENCORE]17.新橋の嵐  18.**

　かなり時間がたってしまいましたが、とにかく二人のドラムの相性の良さが印象
に残るステージでした。演奏中は、要所要所でお互いがお互いを挑発したり引っ張っ
たり支えたりと、プレイヤー同士の対話という面を見せるんですが、MCになると、
則竹氏が、本当に”いち神保ファン”として目をキラキラさせる(^^;ような場面を
見せるところ…ある種の誤解を生みそうな（笑）雰囲気のおかげで、２時間のショー
が緩急をつけて進むのかなと、そんな感じでした。まぁ、とにかく他のドラマーで
はこんなステージはあり得ない(^^;のは間違いないです。このユニットの活動がい
つまで続くのかは、ちょっと読めませんが、この手の音楽が好きな方は、機会のあ
るうちに一生に一度は（笑）見ておいた方がいいと思います。

　ということで、あなたにとってこのステージはどんな時間だったでしょうか？
　スペシャル月間、もう１本スタンバイしておりますので、またお目にかかります。

文字正人(QFG03621@nifty.com) with Let'sNoteR3 from KYOTO
1ST ON LINE: 2005/07/03 (PATIO #207)